2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20350030
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
北川 宏 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 教授 (90234244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 鉄兵 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教 (10404071)
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Keywords | 無機固体化学 / 多孔性金属錯体 / 伝導性金属錯体 |
Research Abstract |
層状シュウ酸配位高分子群の設計・構築に関しては、シュウ酸と亜鉛からなる、ハニカム型のアニオン性フレームワークを有する配位高分子A[Zn_2(ox)_3]B_x nH_2O(A=貫入有機分子、B=カウンターカチオン、H_2ox=シュウ酸)を構築した。カウンターカチオンとしてアンモニウムを有し、Aとしてアジピン酸を用いた配位高分子の構築に成功し、PCT測定から3水和物、2水和物及び無水物の状態を可逆的に取ることが分かった。またこれらの結晶構造を単結晶X線構造解析により明らかにした。ナノ薄層界面基板の作製に関しては、世界で初めて結晶性の金属錯体フレームワークを基板上に作製した。銅イオンと有機配位子であるルベアン酸の反応性を制御するため、基板界面における銅イオンとルベアン酸を1対1で積層させることを試みた。具体的には、原子レベルで超平坦なサファイア基板上にルベアン酸と銅を積み木感覚で交互に積み上げる「ボトムアップ法」を用いて有機無機ナノハイブリッド膜を作製した。この方法では、前処理したサファイア基板を金属イオンの水溶液に浸積させることと、有機配位子のエタノール溶液に浸積させて、1サイクル層を作製する。このサイクルを繰り返すことで、ナノ膜の厚さを制御できる容易な作製法である。作製したナノ膜の透過電子スペクトル測定を行い、各サイクル層について、一定量ずつのルベアン酸銅が固定されていることを吸光度のピークが成長している様子から確認した。ただし、その各サイクル層の内部の原子の配列については知見を得ることができなかった。そこで、SPring-8の高輝度放射光の表面X線回折法を用いて、そのナノ膜からの回折強度を検出することができた。
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