2009 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧水を用いた反応選択的分離分析システムの開発と高温水化学反応解析への展開
Project/Area Number |
20350034
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
渋川 雅美 Saitama University, 理工学研究科, 教授 (60148088)
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Keywords | 高温高圧水 / クロマトグラフィー / 反応解析 / 化学種変換 |
Research Abstract |
水は高温高圧下で誘電率が著しく低下するなど物性が大きく変化することが知られている。本研究では高温高圧水を移動相とするクロマトグラフィー(SWC)を用いて高温高圧下での溶液内化学反応の解析を行うとともに,その研究結果に基づいて,高温高圧水を分離媒体ならびに反応媒体として利用し,SWCと本研究グループが開発した化学種変換HPLCを融合した新しい環境適合型反応選択的高速分離分析システムを開発することを目的としている。本年度は,昨年度構築したイオン交換SWCシステムによりイオン交換選択係数の温度依存性を調べるとともに,同じく昨年度作製した高温高圧に耐えるセルを用いてX線吸収微細構造(XAFS)による高温下での水溶液ならびに樹脂中のイオンの水和構造の解析を行い,イオン交換平衡とイオンの水和構造との関係を検討した。XAFS測定の結果,水溶液中のBr^-とSr^<2+>は温度上昇にともなって水和数が減少すること,Sr^<2+>はイオン交換樹脂相内でも同様の現象を示すこと,これに対してRb^+は水和数の減少が小さいことが明らかになった。この結果から,イオン交換SWCにより得られたイオン交換選択係数の温度依存性はイオンの水和構造の変化によって説明できることがわかった。一方,オンカラム酸化還元化学種変換SWCシステムの分離性能と耐熱性の向上を目的として,塩橋として耐熱性にすぐれたバイコールガラスを用いたカラムを設計・作製した。これに電導性固定相として多孔質グラファイト粒子を充填してカラムを作製し,その分離性能を従来のイオン交換膜チューブを液絡として用いるカラムと比較したところ,理論段数が1桁程度大きいことがわかった。
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Research Products
(17 results)
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[Presentation] 環境分析2009
Author(s)
渋川雅美
Organizer
第31回湘南ハイテクセミナー
Place of Presentation
神奈川大学(横浜市)
Year and Date
2009-12-03
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