2008 Fiscal Year Annual Research Report
機能性核酸及びペプチド核酸複合体を基体とする柔軟な情報変換システムの構築
Project/Area Number |
20350038
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
井原 敏博 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (40253489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 敏彦 鳥取大学, 工学部, 准教授 (10332868)
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Keywords | オリゴヌクレオチド / 協同性 / ハイブリダイゼーション / 三本鎖DNA / 金属イオン / テロメア / 質量分析 / 融解曲線 |
Research Abstract |
ヒトテロメア配列に対する、短いDNAの協同的ハイブリダイゼーションの検討を行った。オリゴDNA TCCCTTAGGGはその一部を互いに重ねた部分でパラレル型の三本鎖を形成して足場である(CCCTAA)_nに選択的に結合すると考えた。すなわち、繰返し配列の1ユニットに分子が結合するとその結合は両隣のユニットへ第二の分子が結合する環境を与えるため、ひとたび最初の分子が標的配列を見つけると協同的に次々と結合が伝播する(信号増幅)と期待した。二本鎖と三本鎖形成部分の間に数塩基のスペーサー、またはエチレングリコールを導入したものを合成してハイブリダイゼーションにおける協同性を検討した。その結果、塩基スペーサーを導入したものに関して協同性の発現を見ることができなかったが、エチレングリコールリンカーを含むオリゴに関しては、テロメア連続配列に対する安定化を観察することができた。 さらに、三本鎖構造を安定化させるために、銀イオンの影響を調べた。パラレル型の三本鎖において形成されるCG.C+トリプレット中のシトシンN3プロトンをAg+で置換することができれば、中性領域においても安定に三本鎖を形成させることが可能となる。CG.C+を含む幾つかの三本鎖DNAについてその安定性に及ぼすAg+の効果を評価した。その結果、CG.C+に対して等量のAg+を添加すると三本鎖構造の熱安定性が著しく上昇することがわかった。5つのCG.C+を含む15量体三本鎖に関しては、pH7で約30℃もの安定化であった。シトシンのN3プロトンがAg+によって置換された塩基トリプレットCG.CAg+の生成は質量分析によっても確認することができた。
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Research Products
(5 results)