2009 Fiscal Year Annual Research Report
機能性核酸及びペプチド核酸複合体を基体とする柔軟な情報変換システムの構築
Project/Area Number |
20350038
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
井原 敏博 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40253489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 敏彦 鳥取大学, 工学部, 准教授 (10332868)
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Keywords | オリゴヌクレオチド / 協同性 / ハイブリダイゼーション / アントラセン / 光二量化 / 融解曲線 / 三本鎖DNA |
Research Abstract |
DNAのそれぞれの末端に一つずつ2つのアントラセンを化学修飾したコンジュゲートを合成した。このコンジュゲートは対象な塩基配列を有し、折れ曲がってU字構造をとり、プリン配列を挟むかたちで非常に安定な二分子三本鎖構造を形成する。 この構造に、LEDランプにより366nmの光を照射するとわずか数秒で末端の両アントラセンが二量化して環状のDNAを形成することがわかった。7-merという非常に短い認識サイトでも安定な複合体を形成できるので、配列特異性と結合力という分子認識における普遍的なジレンマを軽減できることがわかった。つまり、同条件で同等の熱安定性をもつ15-mer二本鎖複合体の場合と比較して配列特異性に関して著しい改善が見られた。線状と環状のDNAはHPLCやゲル電気泳動により容易に識別することが可能なので、この方法はDNAやRNAの一塩基識別に利用することができる。 また、光反応により生成した環状DNAはテンプレートとして用いたプリン配列への結合が向上することがわかった。これは結合型のコンフォメーションが固定化された効果、すなわちpreorganizationまたは、エントロピー効果によるものである。さらに、アントラセン二量体が短波長(312nm)の光照射により可逆的に開裂することを利用して環化したDNAを再び線状化できることもわかった。このことは、テンプレートDNAという入力シグナルをDNAのコンフォメーションというかたちで記録し、さらに消去できる(rewritable memory)ことを意味する。
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Research Products
(9 results)