2011 Fiscal Year Annual Research Report
機能性核酸及びペプチド核酸複合体を基体とする柔軟な情報変換システムの構築
Project/Area Number |
20350038
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
井原 敏博 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40253489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 敏彦 鳥取大学, 工学部, 准教授 (10332868)
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Keywords | DNAコンジュゲート / 協同性 / ハイブリダイゼーション / シクロデキストリン / シグナル化学増幅 / 機能性核酸 / DNAzyme / 生体分析化学 |
Research Abstract |
23年度、本研究では、DNAを反応の足場として論理的に特定の塩基をねらった検出系の構築を目的とした。具体的には、ターゲットDNAに対して、β-シクロデキストリン(βCyD)を修飾したDNAコンジュゲート(CyD-DNA)と、塩基識別能を持つ蛍光性リガンド複合体を利用した。 CyD-DNAは、βCyDの「選択的な分子包摂機能」と核酸類の「プログラム可能な分子認識機能」を併せ持つ化合物である。一方、蛍光性リガンドは「塩基認識部位」と、「蛍光部位」を共有結合で連結した化合物である。ターゲットDNAの相補鎖であるmaskとCyD-DNAからなるタンデム二本鎖を形成させた。この二本鎖には一塩基ギャップをつくり、そこにSNP塩基が提示されるよう設計した。この複合体にリガンドを添加すると塩基識別部位がSNP塩基を特異的に認識して結合し、リガンドの蛍光部位はすぐ近くのβCyDに包摂されてその蛍光が増大する、すなわち、SNPを蛍光シグナルに変換することを期待した。この検出原理にしたがって実験を行った結果、このシステムが分子認識の舞台となるDNA複合体中でのリガンドとβCyDの位置関係に大きく依存することが示された。今回、塩基選択性の異なる3つのリガンドを用いて、DNA、およびRNAをターゲットにしてSNP検出実験を行った結果、協同的認識機構の全貌が明らかになった。本手法が、2つの分子の論理的な組み合わせによりあらゆる塩基を対象にすることのできる、汎用性のある分析法になることを示すことができた。
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Research Products
(6 results)