2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体試料中軽金属元素の状態別In-situイメージング用軟X線分光システムの開発
Project/Area Number |
20350040
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
脇田 久伸 福岡大学, 理学部, 教授 (50078581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 拓史 九州大学, 大学院・理学院, 教授 (20136419)
栗崎 敏 福岡大学, 理学部, 助教 (20268973)
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Keywords | 軟X線分光 / XANESスペクトル / 生体試料 / ポリキャピラリーX線レンズ / 溶液 / In-Situ |
Research Abstract |
本年度は平成20年度に購入したポリキャピラリー集光レンズと平成21年度に設計作成したコリメータを超軟X線分光スペクトル測定装置用生体試料測定システムへの取り付けを行った。また、測定の際に使用するヘリウムガスの使用量を削減するために試料周りにアクリル板で作成した円筒形のホルダーの取り付けを行った。これらの改良を加えた装置を用いて九州シンクロトロン光研究センターBL-12で塩化ナトリウムおよび塩化マグネシウム水溶液のNa-KおよびMg-K XANESスペクトルの測定を行った。その結果、ポリキャピラリー集光レンズを導入しない場合、測定限界濃度は1Mであったのに対し、ポリキャピラリー集光レンズを導入し今回の改良を加えた装置では測定限界濃度0.1Mの濃度の溶液でも測定が可能であることが示された。また使用するヘリウムガスも改良前と比較して使用量が1/3程度に減らすことが可能となった。測定の結果得られたスペクトルは、ポリキャピラリー集光レンズを導入したことにより、S/N比の向上が見られAzizらによって測定されたスペクトルと同等以上のXANESスペクトルを得ること可能となった。また、各種条件下で生体試料であるケイ素含有稲の栽培育成を行い、これらの試料を用いてケイ素のSi-K XANESスペクトルの測定を行った。得られたSi-K XANESスペクトルはDV-Xα分子軌道法などを用いて現在解析を行っている。今年度はこれまでに得られた結果を国内外の学会等で成果報告を行ったため全体に占める旅費の割合が比較的大きくなった。
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