2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20350044
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
荒井 孝義 Chiba University, 大学院・理学研究科, 准教授 (80272483)
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Keywords | 触媒設計・反応 / 機能触媒 / 触媒反応 / 磁気分離 / 複合材料 |
Research Abstract |
本研究では、磁性ナノ粒子を有機-無機ハイブリッドポリマーで覆った磁性ナノカブセルを開発し、触媒の磁気分離も可能な特徴ある有機合成プロセスを確立することを目標としている。 研究初年度は、研究計画に従い、銅イオンと4,4'-ビピリジンからなるハイブリッドポリマーを次期ビーズ上に構築することから研究を開始した。アミノ基末端を有する磁気ビーズに銅テトラフルオロポレートと4,4'-ビピリジンを作用させるだけで、自己組織化の作用により、ハイブリッドポリマー相が構築できることが分かった。ハイブリッド層の形成は、千葉大学が共同利用設備として所管しているFE-SEMの測定により確認した。得られた「有機一無機ハイブリッドナノカプセル化磁性粒子触媒」をケイ素エノラートの酸素酸化によるα-ヒドロキシケトンの触媒的合成に適用し、様々な基質から高い化学収率をもってα-ヒドロキシケトンの合成に成功した。触媒は、磁気分離によって、定量的に回収、数度の再利用が可能であることを確認した。さらに、銅イオン以外にも空気や湿気に安定な希土類金属やニッケル、コバルト等の後周期遷移金属を含有する一連のハイブリッドポリマーを磁気ビーズ上に構築し、有機-無機ハイブリッドポリマー触媒の迅速探索も実施した。 また、基本的かつ重要な有機反応をいくつか検討し、ホルムアルデヒドへのアルドール反応、ニトロアルドール反応さらには、イノン類への付加反応に有用な触媒を見出すことに成功した。 以上のように、ほぼ研究計画に見合う研究成果を得ることができた。
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Research Products
(9 results)