2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20350044
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
荒井 孝義 Chiba University, 大学院・理学研究科, 教授 (80272483)
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Keywords | ハイブリッドポリマー / 触媒 / 磁気分離 / 架橋型配位子 / 錯体 / リサイクル / 化学プロセス / 環境調和 |
Research Abstract |
今日の医薬や機能性材料の開発に有用な有機合成反応では、金属触媒が重要な役割を担っている。しかしながら、後周期金属のような高価で希少な元素を用いる反応では、その触媒の回収と再利用を可能にする新しい化学プロセスの確立が急務となっている。本試験研究では、磁性ナノ粒子を有機-無機ハイブリッドポリマーで覆った磁性ナノカプセルを開発し、磁性有機-無機ハイブリッドナノカプセルを有機変換反応の触媒として用いることで、触媒の磁気分離も可能な特徴ある有機合成プロセスの構築を目指している。昨年度までの研究で開発に成功している銅-ビピリジンハイブリッドポリマー触媒によって進行するケトン類のα-ヒドロキシル化反応に加え、本年度は、銅-ジカルボン酸ハイブリッドポリマー触媒によって進行するニトロアルドール反応、マグネシウム-ジジカルボン酸ハイブリッドポリマー触媒によって進行するアルデヒドのシアノシリル化反応、さらにはパラジウム-ホスフィンハイブリッドポリマー触媒によって進行する薗頭反応等の開発に成功した。これらの触媒は、いずれも磁性ナノ粒子に担持できることができ、磁気分離によって、容易に触媒の回収と再利用ができた。特に、銅-ジカルボン酸ハイブリッドポリマー触媒によって進行するニトロアルドール反応は、配位による金属イオンの架橋だけではなく、金属のカウンターアニオンによって架橋されるタイプの有機-無機ハイブリッドポリマーを用いても同様な手法によって磁気ビーズをカプセル化し、触媒として用いることができることを示したものであり、本手法の一般性がさらに向上したといえる。また、不斉合成への展開を行うべく、光学活性なイミダゾリンやイミダゾリジンを含有する架橋型配位子の設計と合成を行った。これらの不斉配位子としての能力は、銅やニッケルの錯体触媒として確認した。
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Research Products
(9 results)