2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20350044
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
荒井 孝義 千葉大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80272483)
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Keywords | ハイプリッドポリマー / 触媒 / 磁気分離 / 架橋型配位子 / 錯体 / リサイクル / 化学プロセス / 環境調和 |
Research Abstract |
本研究では、磁性ナノ粒子を有機-無機ハイブリッドポリマーで覆った磁性ナノカプセルを開発し、触媒の磁気分離も可能な特徴ある有機合成プロセスを確立することを目標としている。 昨年度までの研究で、1)銅-ビピリジンハイブリッドポリマー触媒によって進行するケトン類のα-ヒドロキシル化反応に加え、2)銅-ジカルボン酸ハイブリッドポリマー触媒によって進行するニトロアルドール反応、3)マグネシウム-ジジカルボン酸ハイブリッドポリマー触媒によって進行するアルデヒドのシアノシリル化反応、4)パラジウム-ホスフィンハイブリッドポリマー触媒によって進行する薗頭反応等の開発に成功した。さらに、パラジウム-ジアミンハイブリッドポリマー触媒により、アルケニルアミン化合物の分子内環化反応も可能であることを見出した。本反応は、アルケンのWacker型の酸化反応とみなすこともできるものであり、反応機構のみならず、高度に官能基化された環状アミン化合物を効率的に得る手法としても興味深い。さらに、発展型の研究として、磁気ビーズを独自に調製し、しかもその表面をシリカゲルで覆う技術の研究も行った。シリカコートすることで、有機化合物と磁気ビーズの親和性が向上し、反応性の向上や磁気分離による触媒の回収と再利用において、性能の改善が期待できる。 また、磁気ビーズ上に構築した有機-無機ハイブリッドポリマー触媒のライブラリーを用いた触媒探索により見いだした配位子を用い、高立体選択的な触媒的不斉反応の開発にも成功した。以上のように、ほぼ研究計画に見合う研究成果を得ることができた。
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Research Products
(15 results)