2008 Fiscal Year Annual Research Report
精密分子触媒を駆使する機能分子迅速合成プロセスの創成
Project/Area Number |
20350045
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 芳彦 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60283412)
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Keywords | 銅触媒 / ヒドロアリール化 / クマリン / モリブデン錯体触媒 / フリーデル・クラフツ反応 / 芳香族化合物 / ブレンステッド酸触媒 / クロマン |
Research Abstract |
安価な銅塩を触媒として用いることによりアリールボロン酸のアルキニルエステル類へのヒドロアリール化反応を穏和な条件下に進行させ,三置換アクリレートを高収率かつ高立体選択的に得ることに成功した。本手法を応用して様々な生理活性を有する4-アリールクマリンの新規合成法を確立した。さらに,銅塩と1,10-フェナントローリンを配位子として組み合わせた触媒系を用いると,アリールボロン酸の選択的ホモカップリング反応が進行することを発見し,この反応がヒドロキソ架橋複核銅(II)錯体によって触媒されることを突き止めた。 一方,種々の二価モリブデン錯体と高い酸化能を有するクロラニルを組み合わせ用いることにより,アルケンやアルコールをアルキル化剤として用いることのできる芳香族化合物のアルキル化反応を開発した。反応位置選択性や重水素標識化合物を用いた実験結果に基づき,ブレンステッド酸により触媒されるフリーデル・クラフツ型機構を提案すると共に,用いるモリブデン錯体を変化させることにより酸触媒強度が調整可能であることを見いだした。本触媒系をフェノール誘導体とアリルアルコール類の[3 + 3]型環化カップリング反応に適用して,多様な置換クロマンの合成を展開し,トコフェロール及びその類縁体や3,4-ジヒドロモルギンなどの合成を達成した。
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Research Products
(11 results)