2010 Fiscal Year Annual Research Report
精密分子触媒を駆使する機能分子迅速合成プロセスの創成
Project/Area Number |
20350045
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 芳彦 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60283412)
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Keywords | ルテニウム触媒 / パラジウム触媒 / 銅触媒 / カップリング反応 / 環化付加反応 / アルコキシカルボニル化反応 / ボロン酸 / 生理活性化合物 |
Research Abstract |
(1)興味深い生理活性を有する数種類の天然物に共通して見いだされるジヒドロフラン縮環ナフトキノン骨格の構築を念頭に置き,ルテニウム触媒環化付加反応と,銅触媒Ullmannカップリング反応を連続して用いる新規キノン合成法を開発した。(2)アリールアルキニルニトリルを芳香族アルデヒドおよびシアノホスホン酸エステルからワンポットで効率よく合成する新規手法を開発した。得られたアルキニルニトリルに対し、独自の銅触媒ヒドロアリール化を適用したところ、広範囲のアリールボロン酸がメタノール中室温で反応して、望の3,3-ジアリールプロペンニトリルを極めて高い立体選択性をもって得ることに成功した。(3)触媒量の二価酢酸パラジウムとPPh_3配位子を、Pd(0)種を酸化して活性な二価に戻すための化学量論的酸化剤であるP-ベンゾキノンと組み合わせた触媒系を採用し、P-クロロフェニルホウ酸ピナコールエステルのアルコキシカルボニル化を検討した。その結果、プロトン源を兼ねる溶媒としてアルコールが必須であり、メタノールあるいはエタノールを用いた場合、対応するメチルおよびエチルエステルを良好な収率で与えることを見いだした。(4)0~5個のメチル基を置換した全てのシクロペンタジエニル配位子を有するCp'RuCl(cod)型錯体を合成できる新規手法を確立した。その結果得られたルテニウム錯体の物性を、酸化還元電位の測定や、触媒反応により評価した。
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Research Products
(5 results)