2010 Fiscal Year Annual Research Report
π共役系高分子の精密合成を志向したクロスカップリング反応の研究
Project/Area Number |
20350049
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小澤 文幸 京都大学, 化学研究所, 教授 (40134837)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝田 良 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教 (50452321)
中島 裕美子 京都大学, 化学研究所, 助教 (80462711)
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Keywords | クロスカップリング / ホモカップリング / トランスメタル化 / 重縮合 / 触媒反応機構 / π共役計高分子 / ポリ(アリーレンビニレン) / ポリ(アリーレン) |
Research Abstract |
(1)昨年度の研究において見いだした、Herrmann錯体をパラジウム触媒として用いる、2-ブロモ-3-ヘキシルチオフェンの脱臭化水素型クロスカップリング重縮合について検討を加え、トリス(o-ジメチルアミノフェニル)ホスフィンを補助配位子として用いることにより、分子量3万~4万のポリ(3-ヘキシルチオフェン)を、98%以上の頭-尾選択性で合成できることを明らかにした。これらの分子量と選択性は、有機金属反応剤を用いる従来型のクロスカップリング重縮合に比べて明らかに高かった。 (2)上記の触媒系では、重合度が高くなるほど頭-尾選択性が向上するという興味深い現象が認められる。この理由を明らかにするため、触媒中間体モデルである[PdAr(μ-OAc)L]_2を合成し、チオフェン類との反応について検討した。その結果、オリゴチオフェン鎖の伸長とともにC-H結合切断に対する反応性が向上することが明らかとなった。 (3)Herrmann錯体を用いる触媒系の高い熱安定性の発現理由について検討し、[PdAr(μ-Ac)P(o-tolyl)_3]_2中間体からArHの副生を伴い、Herrmann錯体が再生することを見いだした。この結果は、Herrmann錯体が単なる触媒前駆体ではなく触媒休止種として機能していることを示している。また、反応速度論的な検討を行い、Ar基の種類により、2核錯体の単核錯体への解離と、o-tolyl基のC-H結合切断反応の2通りの律速段階が存在することを見いだした。 (4)all-cisおよびall-transポリ(m-フェニレンビニレン)を高立体選択的に合成し、それらの光異性化反応について検討した。その結果、光定常状態におけるシス/トランス比に高分子効果が現れることが分かった。
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