2010 Fiscal Year Annual Research Report
保護基を全く用いない水中での糖質モノマーの一段階合成とその重合
Project/Area Number |
20350051
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
正田 晋一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10143364)
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Keywords | 無保護糖 / 配糖化 / 糖加水分解酵素 / ジメトキシトリアジン誘導体 / オリゴ糖 / 脱水縮合剤 / キシログルカンオリゴ糖 / キシロビオース |
Research Abstract |
本研究では、無保護かつワンポットでオリゴ糖合成を達成することを目的とした。これは、申請者らが独自に開発してきた水中における活性中間体の合成、ならびに水中での完全選択的配糖化という二つの基盤技術の融合により初めて可能になったものである。 トリアジン系脱水縮合剤であるDMT-MMを無保護糖に作用させることにより、水中で、対応する活性糖供与体を一段階で合成した。すなわち、グルコース、セロビオース、キシロピオースならびにキシログルカンオリゴ糖を、対応するDMT糖へと変換した。 配糖化反応は、本研究の根幹をなす部分であり、特に綿密な実験計画が必要であったので、以下の3つの観点から周到な準備を行った。すなわち、1:得られた活性糖モノマーを最もよく認識する酵素触媒の探索、2:反応系内に混在すると予想されるさまざまな化学種に対する触媒酵素の安定性に関する基礎的知見の集積、3:配糖体収率向上のために必要な諸条件(温度、濃度、pH等)の最適化、について詳細に検討した。 以上の結果を基に、最適な糖転移反応条件の設定を行った結果、DMT化反応をオリゴ糖に適用することにより、これまで合成困難とされていたDMT化オリゴ糖を調製することができた。さらに、対応する糖加水分解酵素の存在下、適切な糖受容体に対して配糖化反応を行うことにより、各種オリゴ糖を収率よく合碗する手法を開発した。
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Research Products
(6 results)