2011 Fiscal Year Annual Research Report
保護基を全く用いない水中での糖質モノマーの一段階合成とその重合
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20350051
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
正田 晋一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10143364)
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Keywords | 無保護糖 / 一段階合成 / 糖オキサゾリン / EndoM酵素 / 配糖化 / 脱水縮合剤 / N-結合型オリゴ糖 / 糖転移反応 |
Research Abstract |
本研究では、申請者らが独自に開発してきた水中における活性中間体の合成、ならびに、水中での完全選択的配糖化、という二つの基盤技術を融合することにより、無保護から複雑な構造を持つ配糖体を合成する手法の開発を目的とした。 1.N-結合型オリゴ糖オキサゾリンの一段階合成 2-クロロ-N,N-ジメチルイミダゾリニウム系脱水縮合剤を、卵黄から調製される非還元末端にシアル酸を有するN-結合型オリゴ糖に作用させることにより、水中で対応する糖オキサゾリン誘導体を一段階で合成した。 2.酵素触媒による配糖化 配糖化反応は、特に綿密な実験計画が必要であるので、以下の3つの観点から詳細な検討を行った。 (1)糖オキサゾリンを最もよく認識する酵素触媒の探索 EndoM酵素の変異体について、その糖転移能力を比較検討した結果、N175Q変異体を用いると最も高い収率で配糖体が生成することが分かった。 (2)反応系内に混在すると予想されるさまざまな化学種に対する触媒酵素の安定性に関する基礎的知見の集積 すでに、2-クロロ-N,N-ジメチルイミダゾリニウム系脱水縮合剤の副産物である、トリエチルアミン塩酸塩が、EndoM酵素触媒の活性に与える影響を予備実験的に調査した結果、酵素活性の低下が見られたことから、トリエチルアミン塩酸塩の除去方法を検討した。その結果、電気透析を用いることにより、塩化物イオンを除去することができた。また、脱水縮合剤として、塩素含まない2-フェニルオキシイミダゾリニウム塩を用いることで、酵素活性を低下させることなく、糖転移反応が可能であることを示した。 (3)配糖体収率向上のために必要な諸条件(温度、濃度、pH等)の最適化 種々反応条件を検討した結果、脱水縮合剤5当量、塩基としてリン酸カリウムを用いると、p-ニトロフェニルN-アセチルグルコサミニドへの転移が80%の好収率で進行することが分かった。
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[Journal Article] α-N-Acetylgalactosaminidase from Infant-associated Bifidobacteria Belonging to Novel Glycoside Hydrolase Family 129 Is Implicated in Alternative Mucin Degradation Pathway2011
Author(s)
Masashi Kiyohara, Takashi Nakatomi, Shin Kurihara, Shinya Fushinobu, Hideyuki Suzuki, Tomonari Tanaka, Shin-ichiro Shoda, Motomitsu Kitaoka, Takane Katayama, Kenji Yamamoto, Hisashi Ashida
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Journal Title
Journal of Biological Chemistry
Volume: 287
Pages: 693-700
Peer Reviewed
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