2008 Fiscal Year Annual Research Report
生物学的スクリーニング技術を利用したエンプラ用ペプチド接着剤の創製
Project/Area Number |
20350052
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
芹澤 武 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 准教授 (30284904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松野 寿生 東京大学, 駒場オープンラボラトリー, 助教 (50376696)
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Keywords | スクリーニング / エンプラ / ペプチドジ / ファージ / ポリエーテルイミド / 表面プラズモン共鳴 / 接着 / モチーフ |
Research Abstract |
生化学検査用マイク・機器やインクジェットプリンタなどでは、流体を扱う微細部品力が使われている。従来、シリコンとガラスにより製造されてきたこれらの部品をプラスチックに代替できれば、製造コストを低減できる。しかしながら、従来の高分子接着剤では微細な流路を塞いでしまう問題があり使用できない。本研究では、プラスチックに特異的に結合するペプチドを接着剤として新規に設計・合成し、評価する。本年度は、7残基のランダムペプチドが提示されたM13バクテリオファージライブラリーを用い、代表的なエンプラであるポリエーテルイミド(PEI)に特異的に結合するペプチドを探索した。スピンコート法により一穴スライドガラス上に製膜し、得られたフィルムをバイオパニングに適用した。インプットしたファージ濃度と回収されたファージ濃度から各ラウンドの収率を求め、特異的なファージ群に濃縮しているか確認しながらバイオパニングを繰り返した。濃縮を確認した後、ファージをクローニング、DNAシークエンシングを行い、各クローンが提示しているペプチドのアミノ酸配列を決定した。その結果、Thr-Gly-Ala-Asp-Lys-Asn-Thrのアミノ酸配列をもつFBO1ペプチドが高い頻度で同定できた。FBOIペプチドを固相合成し、液体クロマトグラフィーにより分離・精製した。表面プラズモン共鳴法によりPEIフィルムに対するFBO1ペプチドの結合を解析したところ、3.4x108M-1の結合定数を示すことが分かった。この結合定数は、これまでに取得された7残基程度のマテリアル結合性ペプチドの中でも例外的に高い値である。アミノ酸の置換解析により、一次配列の重要性と必須モチーフが分子全体にわたることが示唆された。ポリスチレンに対しては2.0xlO5M-1の結合定数であり、FBO1ペプチドの高い特異性が示唆された。
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Research Products
(18 results)