2009 Fiscal Year Annual Research Report
生物学的スクリーニング技術を利用したエンプラ用ペプチド接着剤の創製
Project/Area Number |
20350052
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
芹澤 武 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 准教授 (30284904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松野 寿生 駒場オープンラボラトリー, 助教 (50376696)
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Keywords | スクリーニング / エンプラ / ペプチド / ファージ / ポリエーテルイミド / 表面プラズモン共鳴 / 接着 / モチーフ |
Research Abstract |
生化学検査用マイクロ機器やインクジェットプリンタなどでは、流体を扱う微細部品が使われている。従来、シリコンとガラスにより製造されてきたこれらの部品をプラスチックに代替できれば、製造コストを低減できる。しかしながら、従来の高分子接着剤では微細な流路を塞いでしまう問題があり使用できない。本研究では、プラスチックに特異的に結合するペプチドを接着剤として新規に設計・合成し、評価する。本年度は、前年度に得られたポリエーテルイミドに特異的に結合する7残基ペプチドが接着剤として機能するかを検証するために、分子内に二つ以上のペプチド分子を有し、プラスチック面を橋かけする構造となる以下のペプチド誘導体を設計・合成した。設計1:ペプチドの片末端にシステインを導入し、ジスルフィド結合の形成により接着剤とした。設計2:金ナノ粒子の表面に複数のペプチドをクラスター化することで高分子との結合性を向上させる接着剤とした。設計3:ポリアクリル酸の側鎖にペプチドをペンダント状にコンジュゲートした高分子接着剤とした。設計4:片末端に正あるいは負の電荷を有するペプチド誘導体を設計・合成し、エンプラ面に固定化した後、テイル部の静電相互作用あるいはポリイオンコンプレックス形成により接着させた。設計5:ビオチン化ペプチドを設計・合成し、アビジンタンパク質による架橋反応による接着を期待した。これらのペプチド誘導体を用い、様々な条件下で接着挙動を追跡したが、工業用途に耐えうる接着強度を実現することはできなかった。しかしながら、ペプチド分子がエンプラ表面に良好に露出する条件が分かったため、この条件をもとに新たな接着の構築を目指す。
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Research Products
(17 results)