2010 Fiscal Year Annual Research Report
生物学的スクリーニング技術を利用したエンプラ用ペプチド接着剤の創製
Project/Area Number |
20350052
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
芹澤 武 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (30284904)
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Keywords | スクリーニング / エンプラ / ペプチド / ファージ / ポリエーテルイミド / 表面プラズモン共鳴 / 接着 / モチーフ |
Research Abstract |
生化学検査用マイクロ機器やインクジェットプリンタなどでは、流体を扱う微細部品が使われている。従来、シリコンとガラスにより製造されてきたこれらの部品をプラスチックに代替できれば、製造コストを低減できる。しかしながら、従来の高分子接着剤では微細な流路を塞いでしまう問題があり使用できない。本研究では、プラスチックに特異的に結合するペプチドを接着剤として新規に設計・合成し、評価した。本年度は、ペプチド分子がエンプラ(ポリエーテルイミド)表面に良好に露出する条件を利用し、新たな接着系の構築を目指した。これまでの研究により、適当なペプチド分子のみではエンプラ間を強固に接着することができないことを示した。そこでペプチドによるエンプラ表面の処理と、他のバルク性の接着剤を組み合わせることよる接着を検討した。バルク性接着剤として、ペプチドと同様に生体由来分子として知られているドーパミンを選択し、所定条件下で重合させたポリドーパミンを接着材に適用した。ペプチドの構造や固定化量、ドーパミンの重合条件を変化させ、ペプチド処理による接着強度の変化について検討したものの、ペプチドの有無による接着強度の向上は観察できなかった。一方、ペプチド処理することにより、水中における接着安定性が向上することが分かった。水に触れる環境下で機能する接着技術は多くの工業材料において必要とされていることから、本系を洗練することにより、接着における生体分子の新たな利用が期待される。
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Research Products
(15 results)