2008 Fiscal Year Annual Research Report
アセチレン類へのラジカル的ビスメタル化反応を基盤とした典型元素含有高分子の創成
Project/Area Number |
20350054
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
中 建介 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 教授 (70227718)
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Keywords | 高分子合成 / 合成化学 / 金属錯体 / 典型元素 / 無機高分子 |
Research Abstract |
ヒ素を中心とした高周期15族元素からなるホモ環状化合物とアセチレン誘導体とのラジカル的ビスメタル化反応の詳細を明らかにし、高周期15族元素含有高分子の熱・電子・光物性および種々の遷移金属への配位や酸化還元等の反応性を検討することで14族や16族元素と比較してこれまで研究例がほとんどない高周期15族元素含有高分子および化合物の有用機能探索を行うことの目的とし、以下の研究成果を得た。 (1) ヒ素ホモ環状化合物とアセチレン誘導体とのラジカル反応によるポリ(ビニレンヒ素)に対するヒ素含有二量体付加物であるジアルシニン類の生成反応条件の検討を、反応温度等を変化させて検討した結果、収率60%以上でジアルシニン類が合成できることを見出した。 (2) ジアルシニン類と白金(II)との錯体形成反応において量論比を変えることにより、それぞれ単核錯体、複核錯体が得られることを見出し、この選択的白金単核及び複核錯体の生成機構について検討した結果、複核錯体は単核錯体を経由して生成していることを明らかにした。 (3) ジアルシニン類を配位子として用いた金属錯体の性質について検討を行い、電子状態の変化を伴う柔軟な構造変化を示し、ジアルシニン類は様々な遷移金属と錯形成することがわかった。ジヨード白金二核錯体においては電子受容性を、他の錯体では電子供与性を示した。ジアルシニン類は、六員環を形成する二重結合とヒ素上の孤立電子対が効果的に相互作用することにより、電子の授受が容易に起こる特徴を有することがわかった。
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Research Products
(4 results)