2010 Fiscal Year Annual Research Report
動的共有結合ポリマーの多様な反応場におけるラジカル構造変換反応
Project/Area Number |
20350057
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大塚 英幸 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (00293051)
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Keywords | 高分子反応 / 高分子合成 / ナノ材料 / 高分子構造・物性 / 超薄膜 |
Research Abstract |
本研究では、多様な反応場における動的共有結合ポリマーの反応性について調査し、様々な反応場において駆動する動的共有結合ポリマーの開発を目的とする。具体的には、3つの反応場(極性溶媒系、無溶媒系、無機材料表面系)に着目し研究を推進する。本研究では3つの反応場(極性溶媒系、無溶媒系、無機材料表面系)に着目し研究を行うことを目的としている。 本年度は、前年度に得られた知見および成果をもとに展開し、1)極性溶媒中、2)バルクフィルム中、3)無機材料表面、の反応を行った。1)に関しては、前年度に得られた水中でアルコキシ架橋したポリマーの脱架橋に成功し、アルコキシアミンの交換反応を利用した水中での可逆的な構造変換反応を達成した。2)に関しては、前年度に引き続きバルクフィルム中のラジカル交換反応を検討した結果、ジスルフィド結合を有する様々な高分子において反応が進行することを明らかにした。3)に関しては、前年度に引き続き、シリコン基板表面に形成された動的共有結合骨格を側鎖に有するポリマーブラシを用いた高分子反応を検討した。動的共有結合を末端に有するポリビニルピリジンとの結合組み換え反応を行い、その後に四級化反応を行うことで、親水性表面へと変換できることを明らかにした。 本研究では、目標としていた3つの反応場(極性溶媒系、無溶媒系、無機材料表面系)の全てにおいて、動的共有結合ポリマーのラジカル交換反応が進行することを明らかにすることができた。本研究で得られた成果は、今後、環境低負荷高分子、リサイクル性高分子、自己修復性高分子など様々な応用展開が期待される。
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Research Products
(34 results)