2009 Fiscal Year Annual Research Report
内孔径を広狭調節できる蛋白質ナノチューブの創製と分子包接ダイナミクス
Project/Area Number |
20350058
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小松 晃之 Waseda University, 理工学術院, 准教授 (30298187)
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Keywords | 蛋白質 / ナノチューブ / 分子包接 / 超分子 / バイオマテリアル / アルブミン / 交互積層 / 生体高分子 |
Research Abstract |
本研究は、管径サイズを動的に調節できる蛋白質中空シリンダーを構築し、その一次元内孔空間へ所望の生体高分子を吸入・放出できる従来に類例のないバイオナノチューブを創製、その分子包接ダイナミクスを明らかにすることを目的としている。 本年度は研究計画に従い、屈雪(早大理工、研究協力者)、Prof.Stephen Curry(lmper ial College London、海外研究協力者)の参加協力も得ながら推進した。効率向上のために研究支援者も雇用し、研究の促進を図った。 1.蛋白質ナノチューブの孔径変化の観測 鋳型内交互積層法により調製したアルブミンナノチューブ(外径:407±10nm、管壁厚:50±4nm)の水中における三次元構造を明らかにするため、試料を凍結乾燥し、SEM観察を行った。水中では管壁が膨潤し、その厚みは約100nmとなるが、面白いことに外径はほとんど変わらないため、内孔径のみが約200nmまで狭まることがわかった。現在、pH変化に応答して広狭変化する組成・条件について検討している。 2.管壁や一次元内孔空間への分子の取り込み現象の解析 アルブミンナノチューブの水分散液にアルブミンのリガンドとなる分子(シアニン系色素、ポルフィリンなど)を加えると、チューブの管壁に効率よく捕捉されることがわかった。さらに、そこへ過剰量のミリスチン酸を添加すると、リガンド交換反応が起こり、結合していた分子が速やかに解離することも明らかとなった。 分子捕捉能の選択性をより高めるため、最内層にアビジンを配置したナノチューブを合成した。このナノチューブの内孔にはビオチン化合物が特異的に取り込まれた。さらに粒径の小さなビオチン修飾蛍光ナノビーズのみを取り込ませることも可能となった。現在、最内層に抗体を配置したナノチューブによるウイルス粒子の捕捉を試みている。
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Research Products
(13 results)