2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20350059
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
江 東林 Institute for Molecular Science, 物質分子科学研究領域, 准教授 (40302765)
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Keywords | 配位分子 / 自己組織化 / 光機能 / 磁性 / 異性化 / 電子機能 / 金属 / ナノ構造 |
Research Abstract |
本研究では、主鎖に遷移金属を有する配位高分子の側鎖に光機能性ユニットを導入し、光照射により遷移金属主鎖のスピン状態、および磁性の変化を誘起することで、光・磁気機能性配位高分子を創出することを目的とする。さらに、配位高分子の自己組織化や無機チャンネルとのハイブリッドを利用して、光による磁性のスイッチングが可能なソフトマテリアル、高分子鎖一本一本がナノチャンネルに独立し、高度に2次元配列した光・磁気機能性シートの構築を目指す。さらに、多核金属錯体により形成され、分子配列が高度制御された多核金属集積体の光、電子機能を開拓することを目指す。 本年度では、ジアリルエテンユニットを有する新規リガンドの設計、合成と同定を行った。その結果、アルキル鎖を有するジアリルエテンの合成に成功し、また、トリアゾールリガンドにアミド結合で繋ぐことで新規なリガンドの合成に成功した。これらのリガンドを用いて、鉄との重合反応を行い、目的とする高分子を合成した。また、光照射により異性化反応が速やかに起きていることを見いだした。溶液状態での異性化反応に加え、溶液からキャスティングすることにより薄膜を作成し、異性化反応を検討した。この場合、溶液と同様に、紫外光照射することにより、ジアリルエテンユニットがオープン状態からクロス状態に変化し、また、可視光照射によりもとのオープン状態に戻ることができる。このような異性化反応は何度も繰り返すことができる。さらに、本年度では、多核共役シフ塩基錯体が高度集積化し、ナノ構造体の光、電子機能について検討した。その結果、特異な光伝導を有することを見いだした。
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