2009 Fiscal Year Annual Research Report
フッ化物塩イオン液体およびそのポリマー誘導体を用いる環境調和型選択的電解フッ素化
Project/Area Number |
20350071
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渕上 壽雄 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (10016701)
|
Keywords | イオン液体 / 選択的電解フッ素化 / 脱硫フッ素化 / チオエステル / 間接電解 / リサイクル / 添加効果 / ジフッ素化 |
Research Abstract |
本年度は下記の研究を行い、一部を除き、所期の計画を達成した。 1. HF塩イオン液体中での無溶媒系フッ素化: ジメトキシエタンの繰り返し構造を持つポリエチレングリコール(PEG)は高分子故に耐酸化性を有し、かつフッ化物イオンの求核性を向上させるものと期待される。HF塩イオン液体中に少量のPEGを添加することにより電解フッ素化の効率が劇的に向上することを見出し、この添加効果の一般化を図るために対象基質を拡張し、チオエステル類の電解フッ素化を行ったところ高電流密度下で高効率的に脱硫ジフッ素化が進行したことからPEGの電解フッ素化に及ぼす添加効果が普遍的であることを実証した。 2. ポリエチレングリコール修飾電極の試作とそのHF塩イオン液体中での無溶媒系フッ素化への応用: PEGを陽極に固定した修飾電極を作製し、電解フッ素化を試みたが、フッ素化に及ぼす効果は殆ど見られなかった。本研究によりPEGはある程度の量を添加することが必要であることが明らかになった。 3. HF塩イオン液体中での間接電解フッ素化: 分子内にイオン液体構造を有するヨードベンゼン誘導体を合成するとともに、これをメデイエーターとするHF塩イオン液体中での間接電解フッ素化を行った。メデイエーターがイオン液体相に固定され、繰り返し電解フッ素化に再利用できることを実証した。
|