2008 Fiscal Year Annual Research Report
外部刺激に応答して生分解性を誘起する新規周期共重合高分子材料の創成
Project/Area Number |
20350072
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
阿部 英喜 The Institute of Physical and Chemical Research, 化学分析チーム, 専任研究員 (70271541)
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Keywords | 周期性共重合体 / 連鎖構造制御 / 生分解性 / 3-ヒドロキシブタン酸 / スイッチ機能 / 重縮合 / 分子鎖末端活性化処 |
Research Abstract |
バイオポリエステル加水分解酵素の本来の基質である(R)-3-ヒドロキシブタン酸をモノマーの一つとし、第二モノマー成分として(S)-リンゴ酸および(S)-アスパラギン酸を選択し、それぞれのモノマーが規則的な周期連鎖で結合した共重合体の合成を試みた。共重合体の合成法としては、2段階の縮重合反応を利用し、一段階目の縮合反応で単一分散の共重合オリゴマーを調製し、その共重合オリゴマーをマクロモノマーとした二段階目の縮合反応により高分子量化を図るというものである。まず、(R)-3-ヒドロキシブタン酸と(S)-リンゴ酸の縮合反応によるオリゴマーの調製条件を検討したが、副反応としてエステル交換が進行し、高効率で単一オリゴマーを調製できる条件を見いだせなかった。そこで、(S)-リンゴ酸の替わりに(S)-アスパラギン酸を利用し、単一分散オリゴマーの合成を試みた。(S)-アスパラギン酸のアミノ末端を保護することにより、(R)-3-ヒドロキシブタン酸と(S)-アスパラギン酸との単一分散オリゴマーを、高効率で生成する技術を確立した。ついで、この(R)-3-ヒドロキシブタン酸と(S)-アスパラギン酸からなるオリゴマーを用いて、高分子量化を達成できる条件探索を行った。反応温度、反応時間などの条件を変化させて重合を行ったが、いずれの条件においても、反応途中から自己環化反応が優先して起こり、分子量1,000程度の生成物しか得られなかった。そこで、平衡を鎖長伸長側に移動させることを目的として、オリゴマーのカルボン酸末端をフェニルエステル化した分子鎖末端の活性化処理を施した。フェニルエステル化したオリゴマーを用いることにより、生成物の分子量を5,000程度まで上げることに成功した。
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