2008 Fiscal Year Annual Research Report
マベ真珠アラゴナイトナノ結晶配向制御機構の解明とフォトニック機能材料創製への応用
Project/Area Number |
20350073
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 智久 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 准教授 (80240901)
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Keywords | バイオミネラリゼーション / ジャカリン様レクチン / ADPリボシルトランスフェラーゼ / アラゴナイト結晶 |
Research Abstract |
本研究は、マベガイ真珠バイオミネラリゼーション、特にアラゴナイト結晶の3軸配向性制御に関わるタンパク質の機能と立体構造を解析し、配向性を制御している分子メカニズムを解明することを目的とした。平成20年度は、ジャカリン様レクチンPPL2A, PPL2BおよびPPL4の真珠層での分布を、各ジャカリン様レクチンに特異的な抗体をもち'いて調べた結果、PPL2Aのαサブユニットのみが不溶性マトリックス成分として含まれることを明らかにした。また、アラゴナイト結晶配向性と相関する26kDaADPリボシルトランスフェラーゼ様タンパク質群(26P-1(HSC2), 26P-2(HSC3), 26P-3, 26P-4)の機能解明のため、Y2H(Yeast two hybrid)法を試みたが、26kDaタンパク質の毒性のため結果を得られなかった。しかし、26kDaタンパク質のin vitroでの結晶形成反応への影響を調べた結果、26kDaタンパク質は結晶数を増加させ、結晶の大きさを抑制することが判明した。また、蛍光標識した26kDaタンパク質の動態を調べた結果、結晶の核形成に関与するものの、結晶成長を抑制することがわかった。 一方、マベガイジャカリン様レクチンタンパク質の立体構造解析については、PPL3の結晶化の条件を種々スクリーニングしているが、X線構造解析に十分な結晶をまだ得るに至っていない。
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