2009 Fiscal Year Annual Research Report
マベ真珠アラゴナイトナノ結晶配向制御機構の解明とフォトニック機能材料創製への応用
Project/Area Number |
20350073
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 智久 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 准教授 (80240901)
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Keywords | バイオミネラリゼーション / ジャカリン様レクチン / ADPリボシルトランスフェラーゼ / アラゴナイト結晶 |
Research Abstract |
マベガイ真珠層アラゴナイト形成に関与するマトリックスタンパク質のうち、特に平成21年度にアラゴナイトの結晶配向性に関与し、核形成に関わることが判明した26kDaADPリボシルトランスフェラーゼ様タンパク質のバイオミネラリセーシヨン反応、相互作用の解析を詳細に行った。すなわち、マベガイ外套膜分泌液から2段階の陽イオン交換クロマトグラフィーで精製した26kDaADPリボシルトランスフェラーゼ様タンパク質、HSC-2およびHSC-3(3アミノ酸残基のみ異なる)を2種の異なる蛍光標識試薬で修飾し、多重蛍光標識による反応追跡を倒立蛍光顕微鏡システムでおこなった。興味深いことにHSC-2は結晶中心部に分布し核形成に働くのに対して、HSC-3は結晶の周辺部に分布し形態制御に働き、2つのイソタンパク質が異なるバイオミネラリゼーション機能をもつことが判明した。これは、蛍光標識を両者で入れ替えた場合にも起こり、タンパク質特異的であることがわかった。また、顕微ラマン分光解析によりHSC-2とHSC-3の両者が存在する場合のみに、アラゴナイトが優先的に形成されることも判明した。 その他、マベガイレクチンPPL-1と相同性をもち、魚類卵ラムノース特異性レクチンファミリーに属するCSL3の立体構造をX線構造解析によりはじ女て明らかにした。糖鎖結合部位2箇所をもつサブユニット2量体により、擬似的に4量体構造をとることが判明した。
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