2008 Fiscal Year Annual Research Report
鎖長識別能を有する人工核酸プローブを利用したmiRNA検出法の開発
Project/Area Number |
20350074
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
清尾 康志 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 准教授 (20313356)
|
Keywords | microRNA / 鎖長識別能 / 短鎖RNA選択的結合 / 人工核酸 / 塩基識別能 / 蛍光核酸 |
Research Abstract |
今年度は、鎖長識別能を有する人工核酸プローブのための修飾ヌクレオシドの合成とオリゴヌクレオチド合成およびそのハイブリダイゼーション能評価を実施した。 新規ヌクレオシドの合成としては、修飾デオキシアデノシンdA^<ChcmP>ならびに修飾デオキシグアノシンdG^<CmcmP>の合成を達成した。さらにこれらを2′-0-メチルRNAの5′末端に導入したオリゴヌクレオチドプローブの合成も達成した。 合成したオリゴヌクレオチドプローブを用いて、短鎖RNAおよび長鎖RNAへのハイブリダイゼーション能をUV-融解曲線を測定することにより評価した。その結果、合成したオリゴヌクレオチドプローブはいずれも短鎖RNAに対しより高い親和性を有することが分かった。また、この短鎖選択的結合能はdG^<CmcmP>よりもdA^<ChcmP>でより顕著であることが分った。 これにより、鎖長識別能を有する人工核酸プローブの末端構造の最適化をデオキシアデノシンを用いて行なうことの妥当性が確認された。 本年度はさらに、上記人工核酸プローブを補足する技術として高精度な塩基識別能を有するcmGおよび、a^2C^3Gに関する合成化学的および計算化学的研究と蛍光核酸dA^<pymcm>に関する分光学的研究も併せて行い、それぞれの性質を明らかにした。これらの研究は鎖長識別能を有する人工核酸と組み合わせて用いることで、microRNAなどの生体内RNAの高精度・高感度検出への利用が期待される。
|