Research Abstract |
本研究は,本年度までに以下のほぼすべての計画について実施し,想定した成果を得てきいるが,本年度は,これらの計画の更なる深化とともに構造物性相関の検討,FETデバイスの作製条件最適化,さらにはこれまでに開発した材料骨格のポリマーへの応用などを検討するとともに,新たなデバイス応用として,開発したp型及びn型材料を用いて薄膜太陽電池への応用を試みた.【計画1】多様な自己組織化低分子有機半導体の合成1(可溶性p型低分子有機半導体の開発),【計画2】薄膜X線と単結晶X線構造解析を組み合わせた薄膜中での分子配列解析,【計画3】溶液プロセスによる薄膜トランジスタ作製と評価,【計画4】可溶性n型低分子有機半導体の開発. 本年度の特筆すべき成果として,【計画1】で開発済みの骨格を用いた高性能半導体ポリマーの開発とそのFET,および太陽電池への応用を行った,さらに,従来FET用p型材料として開発した低分子系においても,C60との組み合わせによる積層型太陽電池への応用を試みた結果,最高で1.5%を超える光電変換効率を達成することが出来た,また,【計画1】において,新規合成法を開発することで,新規な4環系骨格,および二種類の8環系骨格の開発に成功し,これらが高い移動度を示すことを見出した.特に8環系材料では,蒸着による製膜ではあるものの,初期評価の段階で移動度5cm^2/Vsを達成した.さらに,これらの新規化合物を構造物性相関(【計画2】)の見地から検証することで,π電子系の拡張様式の物性に与える影響について,知見を得ることが出来た.
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