2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノカーボン混合ドット触媒層によるPEFCの触媒量大幅低減等に関する研究
Project/Area Number |
20350089
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Research Institution | Nagasaki Institute of Applied Science |
Principal Investigator |
山邊 時雄 Nagasaki Institute of Applied Science, 新技術創成研究所, 教授 (80025965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 典男 長崎総合科学大学, 新技術創成研究所, 客員教授 (80086412)
吉野 勝美 長崎総合科学大学, 工学研究科, 教授 (70029205)
小林 久芳 京都工芸繊維大学, 工学研究科, 教授 (40128690)
藤井 光廣 長崎総合科学大学, 新技術創成研究所, 客員教授 (90086455)
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Keywords | 燃料電池 / 水素吸蔵 / ハイドログラフェン / 白金触媒 / 電解質膜 |
Research Abstract |
本研究の目的は、従来広く用いられている拡散層の上に全面かつ一様に触媒層を形成させたものではなく、我々の独自の発見である「ドット状(水玉模様)」に触媒層を形成させたものを使用することによって、全面触媒層の時とほぼ同じ特性を維持しながら白金の使用量を大幅に低減させることにある。さらにリチウムイオン電池電極用に我々が開発した「新規ナノカーボン(PPhS)」を従来の触媒層に混合して触媒層の白金量を減らしたり、これをドット状にすることにより一層の触媒量の低減化を図る。 1.PPhS混合による触媒量低減効果に関する実験:市販の白金担持カーボンにナノカーボン(PPhS)を混合した場合、白金の使用量が半減するように調整したにもかかわらず「V-I特性」がほとんど低下しないことを見出した。その原因としてPPhSの極めて多い5~10Åの細孔、水素吸蔵性が考えられる。 2.ナノカーボンへの白金分散効果に関する理論的研究:白金担持カーボンにPPhSを混入した場合、白金がナノカーボン側に拡散することを見出し、その理由としてPPhSの水素終端部分と白金の結合力が強いことが考えられる。このことを量子化学的に明らかにするために理論計算を行い、水素終端部分への白金の相互作用は内部のそれに比べて、数倍以上エネルギー的に大きく、強く結合することを見出した。 3.含窒素炭素電極の酸素還元反応に関する量子化学的研究:窒素原子を数パーセント含んだグラフェンは、白金を用いないO_2側電極触媒として最近大きな注目を集めている。対称性のよいコロネン分子(C_<24>H_<12>)をグラフェンモデルとして使用し、その計算結果から、窒素に隣接したグラフェン中の炭素には比較的強くO_2が吸着することを明らかにした。これにより、窒素置換グラフェンは、燃料電池における酸素還元反応に一種の触媒作用を有することを予測した。
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Research Products
(7 results)