2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20350091
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
鈴木 正浩 Shinshu University, 大学院・総合工学系研究科, 准教授 (30334915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
英 謙二 信州大学, 大学院・総合工学系研究科, 教授 (60126696)
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Keywords | ゲル / アミノ酸 / ナノファイバー / 超分子化学 |
Research Abstract |
本研究は、水素結合やファンデルワールスカなどの非共有結合により液体をゲル化するゲル化剤へ光応答性・レドックス活性な官能基を導入することにより、光や電気刺激に対して可逆的にゲルーゾル転移を引き起こす超分子ゲルを開発するとともに、溶媒中でゲル化剤を直接合成(調製)することでゾルからゲルへ転移させる新規な超分子ゲル形成系の構築を行なうことを目的としている。平成20年度は、光機能性のアゾベンゼン誘導体を含む新規有機ゲル化剤の開発および有機塩型低分子有機ゲル化剤の開発を行った。まず、スルホン酸基およびカルボン酸基を持つアゾベンゼン誘導体を合成し、アミノ基を有するL-バリン・L-イソロイシン・L-リシン・L-ロイシン・L-フェニルアラニン・L-アラニン誘導体を合成した。そして、これらを溶媒中で混合することで光機能性官能基を持つL-アミノ酸誘導体を合成したところ、L-イソロイシンやL-ロイシンは多くの有機溶媒をゲル化できるゲル化剤として機能することがわかった。一方、L-リシン誘導体と長鎖アルキル基を持つカルボン酸で構成される有機塩もゲル化剤として機能することを見出した。これらの化合物は酸-塩基相互作用を通してゲル化に関与しているため、ごく少量の酸や塩基の添加によって容易にゲルーゾル相転移を起こす刺激応答性ゲルを形成することがわかった。残念ながら、光応答性官能基を持っている有機塩型ゲル化剤の形成する超分子ゲルは、光刺激に対して応答性をもたなかった。このような、簡単な分子構造を持つ有機塩型化合物は、比較的優れたゲル化剤として機能しかつ、酸や塩基、あるいはイオンの添加によって相転移を起こすことができる新しい超分子ゲルである。
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Research Products
(4 results)