2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20350091
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
鈴木 正浩 信州大学, 総合工学系研究科, 准教授 (30334915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
英 謙二 信州大学, 総合工学系研究科, 教授 (60126696)
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Keywords | ゲル / アミノ酸 / ナノファイバー / 超分子化学 |
Research Abstract |
本研究は、水素結合やファンデルワールスカなどの非共有結合により液体をゲル化するゲル化剤へ光応答性・レドックス活性な官能基を導入することにより、光や電気刺激に対して可逆的にゲルーゾル転移を引き起こす超分子ゲルを開発するとともに、溶媒中でゲル化剤を直接合成(調製)することでゾルからゲルへ転移させる新規な超分子ゲル形成系の構築を行なうことを目的としている。平成22年度は、比較的簡単に合成できるL-アミノ酸を基盤とし、可逆的な光応答性を持つアゾベンゼン誘導体を含む新規有機ゲル化剤の開発を行った。まず、カルボン酸基を持つアゾベンゼンとL-バリン・L-イソロイシン・L-リシン・L-ロイシン・L-フェニルアラニン・L-アラニンのエステルとの反応により有機塩型の化合物を合成した。これらの化合物は、多くの有機溶媒をゲル化できる優れたゲル化剤であることは分かった。また、アゾベンゼン誘導体とL-アミノ酸エステルをそれぞれ溶媒に溶解させたあと、室温で混合するとすぐにゲル化形成できることも分かった。このゲルに、少量の酸あるいは塩基を加えるとゲルが崩壊した。これらの化合物は酸-塩基応答性ゲルを形成することがわかった。さらに、アゾベンゼンの光照射に伴うシスートランス具性化を利用して、形成した超分子ゲルにUV光照射を行ったところ、ゲルからゾルへの転移が観測された。さらに、可視光を照射するとゾルからゲルへの転移が起こった。エステルのアルキレン鎖を変えると反応時間が変わることも発見した。結果として、アゾベンゼンを含むL-アミノ酸誘導体が、熱応答性、酸-塩基応答性、光応答性ゾルーゲル相転移を起こす超分子ゲルを形成するゲル化剤であることがわかった。
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Research Products
(2 results)