2009 Fiscal Year Annual Research Report
特定結晶面を露出する二酸化チタンナノ結晶の創製と光触媒・色素増感特性の評価
Project/Area Number |
20350096
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
馮 旗 Kagawa University, 工学部, 教授 (80274356)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 寛 香川大学, 工学部, 教授 (60112249)
田中 康弘 香川大学, 工学部, 准教授 (10217086)
|
Keywords | TiO_2ナノ粒子 / 色素増感型太陽電池 / 露出結晶面の制御 / 高い色素吸着量 / チタン酸ナノシート / 水熱ソフト化学反応 / 粒子形状制御 / 光触媒 |
Research Abstract |
本研究は、層状チタン酸ナノシートから特定の結晶面を露出するアナターゼ型TiO_2ナノ粒子の新規合成プロセスを開発し、特定の結晶面における光触媒特性や色素吸着・増感特性を解明することを目的とし、21年度は、以下の内容の研究を行った。 H20年度にはLepidocrocite構造をもつ層状チタン酸(H_1.07Ti_1.74O_4)ナノシートを剥離した後、水熱処理して(010)結晶面を多く露出する正方形、長方形、菱形、葉っぱ状、シート状アナターゼ型TiO2ナノ粒子を合成した。H21年度はこの方法で合成したTiO2ナノ粒子の光触媒活性を評価した。比表面積あたりの光触媒活性は、正方形<葉っぱ状<シート状の順で増加し、(010)結晶面の露出する割合の増加順と一致し、通常の方法で合成した球状粒子より高い光触媒活性を示した。(010)結晶面は高い光触媒活性を有することを初めて明らかにした。さらに合成したアナターゼ型TiO_2ナノ粒子の色素吸着特性について調べた。比表面積あたりの色素飽和吸着量は、正方形<ナノロッド状<葉っぱ状の順で増加し、(010)結晶面の露出する割合の増加順と一致し、通常の方法で合成した球状粒子より高い色素飽和吸着量を示した。これらの結果から(010)結晶面はN719色素の吸着量が高いことがわかった。合成したアナターゼ型TiO_2ナノ粒子を用いて色素増感型太陽電池を作製し、太陽電池特性を評価した。色素吸着量の高いTiO_2ナノ子は高い開路電圧値を示した。一方、吸着平衡定数の高いTiO_2ナノ粒子は高い短絡電流値を示した。すなわち、TiO_2ナノ粒子の表面制御によりは太陽電池の特性を向上できることがわかった。 ナノ構造解析について色素を吸着したTiO_2ナノ粒子の表面分析を行った。その結果から色素増感型太陽電池を作製する色素濃度条件では、TiO_2ナノ粒子の表面の1/5以下しか色素に被服されておらず、大部分は色素が付着されてないことがわかった。ダイナミック分光システムを用いて、TiO_2-色素ナノ複合体の光学的解析を行い、光吸収特性などの基礎データを得られた。
|
Research Products
(10 results)