2009 Fiscal Year Annual Research Report
高分子ナノ集積体からなる極薄自立膜の構築及び機能界面への展開
Project/Area Number |
20350100
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三ツ石 方也 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 准教授 (70333903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 徳治 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (40124630)
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Keywords | 超薄膜 / ナノ材料 |
Research Abstract |
昨年度はグリシジル基(p(DDA/GMA))とアミノ基(p(DDA/DONH))を有するコモノマーを導入した二種類の高分子ナノシートを用いて高分子ナノ集積体中に架橋反応を導入することで再現性よく極薄ナノ自立膜を取り出すことに成功した。今年度は、その構造解析のために原子間力顕微鏡・X線回折・走査型電子顕微鏡・光学顕微鏡によって自立膜の観察、測定を行った。p(DDA/GMA)とp(DDA/DONH)の共展開膜から作製した自己支持性ナノ薄膜は19層で膜厚約37nm、1層あたりに換算すると約1.9nmであり、X線回折によりブロードではあるもののブラッグ反射が観測されたことから、Langmuir-Blodgett法特有の層構造が維持されていることがわかった。さらに、膜厚の規則性をほぼ維持したままで5層(膜厚約10nm)まで自己支持性ナノ薄膜の超薄膜化に成功した。19層の自己支持性ナノ薄膜で、6mm径方孔全体を覆うことができた。孔の面積はpDDA単体の自己支持性ナノ薄膜が覆うことのできた面積の250倍以上であり、架橋構造導入による自己支持性ナノ薄膜の機械的強度向上が示唆された。水面上単分子膜の粘性評価から、p(DDA/GMA)に比べてp(DDA/DONH)の粘性が非常に高いことが分かり、DONH側鎖間の強い相互作用が示唆された。熱安定性を検討したところ、予備実験的ではあるが200℃以上まで破壊することなく安定な膜状態を示すことが分かった。架橋反応性高分子ナノシートはバルジ試験にも耐えうる大きさ、機械的強度をもっており、り、高分子超薄膜中に架橋基を導入することで飛躍的に強度が増す結果、極薄自立膜として取り出すことができることを実証した。
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Research Products
(5 results)