2008 Fiscal Year Annual Research Report
熱ナノインプリント対応金属加工用レジスト高分子薄膜の究明
Project/Area Number |
20350103
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中川 勝 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授 (10293052)
|
Keywords | 高分子構造・物性 / 微細加工 |
Research Abstract |
熱ナノインプリント対応金属加工用レジスト高分子薄膜の究明を行うにあたり、平成20年は、ウエットエッチング用熱可塑性高分子材料の探索、ウエットエッチング用熱可塑性高分子の分子量、分子量分布、立体規則性の効果の究明、電解めっきによる被膜形成について検討を行った。ウエットエッチング用熱可塑性高分子材料の探索では、ポリ(スチレン)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(ビニルトルエン)、ポリ(メタクリル酸ベンジル)、シクロオレフィンポリマーについて調べた結果、ポリ(スチレン)、ポリ(ビニルトルエン)が薄膜状態でレジスト機能を示すことが明らかとなった。ポリマー自体の吸水率とインプリント後の残膜除去の際の活性酸素原子種による酸化分解耐性を考慮する必要があることがわかった。シクロオレフィンポリマーでは成型に難があること、レジスト機能が劣るポリマーでは薄膜自体の親水化による金薄膜へのホール欠陥形成をもたらすことがわかった。ウエットエッチング用熱可塑性高分子の分子量、分子量分布、立体規則性の効果の検討では、精密重合が可能なポリ(スチレン)に対象を絞り、分子量に最適な範囲があることを見出した。低分子量成分、高分子量成分が混在する場合、金薄膜にホール欠陥が形成されることがわかり、単分散ポリ(スチレン)を用いることがよいことが明らかとなった。立体規則性に関し、非晶質ポリスチレンが適していると考えられた。電解めっきによる被膜形成の検討では、電解金析出を検討し、適切な電解金めっき液を見出し、次年度以降に研究するための電解めっき装置を組み立てた。
|