2010 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体と高分子のハイブリッド化による新規機能材料の創製
Project/Area Number |
20350104
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
渡邉 正義 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (60158657)
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Keywords | イオン液体 / イオンゲル / ブロック共重合体 / スマートマテリアル / エレクトロウェッティング / マイクロマシーン |
Research Abstract |
本研究代表者はこれまでプラスとマイナスのイオンのみからなるにも係わらず、室温で液体状態のイオン液体、あるいはこれと高分子を組み合わせた機能性材料に関する研究を全方位的に展開してきた。本申請では特に温度・光・電場などの外部刺激に応答して形状や自己組織化状態を可逆的に変化させる新規イオン液体/高分子ハイブリッドの創製を意図してきた。 本年度はイオン液体中で多重な外部刺激に誘起され、集合状態を変える数々のブロック共重合体を創製した。典型例として、二重の温度刺激に応答してイオン液体中で階層的に自己組織化する新規ABCトリブロック共重合体を得た。本分子設計により極めて低濃度でイオン液体を温度可逆的にゲル化できる可能性を示した。一方、温度と光という異なる外部刺激に応じて自己組織化するブロック共重合体を世界に先駆けて実現した。さらに多重な物理刺激に応じて可逆的に膨潤収縮する新規刺激応答性イオンゲルに関する論文化を推進している。本イオンゲルにおいては温度刺激の印加によりイオンゲル内部にナノレベルのインターロック構造が形成され、速度論的にトラップされた状態に陥ることがわかった。しかし特殊収縮状態にあるイオンゲルは光照射により容易に不安定相から解放され、熱力学的に最安定な膨潤状態に到達する。これは光刺激によるインターロック構造の形成/解除スイッチングひいてはゲルの膨潤収縮メモリ効果を利用した新しい機能性ソフトマターの実現を切り拓くものである。なお本研究開始初年度に公表したイオン液体と高分子のハイブリッド化に関する総合論文(Macromolecules, 2008, 41, 3739.)は2011年4月現在、当該誌に掲載された報文の中で過去3年間、最も引用された論文に選出されている。本研究提案の重要性・先見性を裏付けると共に、大きな学術的波及効果を象徴する結果である。
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[Journal Article] Electrolyte Properties of 1-Alkyl-2, 3, 5 : Trimethylpyrazolium Cation-Based Room-Temperature Ionic Liquids for Lithium Secondary Batteries2010
Author(s)
S.Sek, T.Kobayashi, N.Serizawa, Y.Kobayashi, K Takei, H, Myashiro, K.Hayamizu, S.Tsuzuki, T.Mitsugi, Y.Umebayashi, M.Watanabe
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Journal Title
J.Power Sources
Volume: 195
Pages: 6207-6211
Peer Reviewed
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