2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20350110
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
須丸 公雄 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, バイオニクス研究センター, 主任研究員 (40344436)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 俊之 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオニクス研究センター, 主任研究員 (10248065)
杉浦 慎治 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオニクス研究センター, 研究員 (10399496)
|
Keywords | 光アクチュエータゲル / スピロピラン / マイクロ流体システム / 光応答性バルブ |
Research Abstract |
20年度は研究代表者である須丸が急遽内閣府出向を命じられ、予定されたスケジュールを一部変更して研究を行った。 まず、平成22年度に予定されていた「光アクチュエータゲルを組み込んだマイクロシステムの構築」については、酸性水溶液中で光応答収縮を示すことが既に見出されている色素・リンカー・主鎖の組み合わせで検討を行った。特に高い集積度が見込まれる「ゲルシートと流路チップのアセンブル」に基づくアーキテクチャを前倒しで検討、PDMS流路チップと微小な貫通孔を備えたガラス板と光アクチュエータゲルシートを順に積層することにより、1cm角の領域に10個の光応答性バルブを集積したマイクロ流路チップを試作した。様々な作製条件を検討した結果、局所的な青色光照射により、照射されたバルブのみが開通する条件が確認され、さらに詳細な条件検討により、10個の光応答性バルブ全てを独立に光制御できることが実証された。この成果は、Lab on Chip誌(IF=5.821)に掲載され、09年1月のアクセスランキング4位となった。 一方、スピロピラン色素の構造については、20年度に予定されていた5通りの置換基構造を有するアクリルアミドモノマーを合成、まずは主鎖からの干渉が少ない、ジメチルアクリルアミドとの共重合体の合成を行った。まずはそれらについて酸性条件における光異性化のダイナミクスを解析、メトキシ基を有する一部の構造が、光励起からの戻り反応が、30度で約5分と早いことが確認された。さらに、無置換色素を10%導入した系では、ジメチルアクリルアミドポリマー水溶液の相分離が誘起されることが明らかになり、光アクチュエータゲルの高速駆動に関する有用な知見を得た。
|
Research Products
(1 results)