2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノメーター領域における半導体の格子歪みと電気伝導の精密測定
Project/Area Number |
20360007
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
齋藤 晃 Nagoya University, エコトピア科学研究所, 講師 (50292280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信夫 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (40126876)
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Keywords | 半導体歪み解析 / 電気伝導 / 収束電子回折 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究は、STM探針を装着した電子顕微鏡試料ホルダーと収束電子回折(CBED)法を併用することにより局所歪みが電気伝導に与える効果を高精度で明らかにすることを目的とする。すなわち、STM探針で半導体デバイス試料に曲げ変形等の歪みを与える(歪み印加)と同時に、その探針を電流測定プローブとして試料の電気伝導を測定する(電気伝導測定)。その歪み領域から収束電子回折図形を撮影し、歪みを解析する(歪み解析)。この手法により、試料中の数10nm程度の任意の領域に局所歪みを印加した状態で、電気伝導測定および高精度の歪み解析を行なうことが可能になり、これまでバルク試料でしか測定することができなかった「歪みと電気伝導」の同時計測がナノメータースケールで可能となる。この手法をデバイス中の単一チャンネル部に適用し、実デバイスにおける圧縮歪みと電気伝導の相関を世界で初めて明らかにする。この課題実現のため、今年度は以下の課題の実施を行った。 デジタルビームコントロールCCDカメラの導入および調整 外部制御可能なCCDカメラ装置を導入し、動作確認および補助スクリプトの開発を完了した。 試料作製 歪みと電気伝導の相関を正確に計測するため、測定用電極を取り付けたデバイス試料の作製を企業との共同研究により開始した。これに先立ち、既に研究開発が進められているSiGe/Si多層膜の界面近傍の歪み計測を行った。 単結晶試料での実験 通常のシリコン単結晶に対して、STMホルダーをもちいた歪み印加および電気伝導測定のテスト実験を行った。Au探針をもちいて試料の100nm程度の局所領域への圧力印加およびI-V曲線の取得が可能であることを確認した。 歪み解析用ソフトウェアの整備 CBED図形に現れるHOLZ線から、自動的に格子定数を決定するソフトウェアの開発を完了した。
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Research Products
(4 results)