2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノメーター領域における半導体の格子歪みと電気伝導の精密測定
Project/Area Number |
20360007
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
齋藤 晃 Nagoya University, エコトピア科学研究所, 准教授 (50292280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信夫 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (40126876)
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Keywords | 半導体歪み解析 / 電気伝導 / 収束電子回折 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究は、STM探針を装着した電子顕微鏡試料ホルダーと収束電子回折(CBED)法を併用することにより局所歪みが電気伝導に与える効果を高精度で明らかにすることを目的とする。すなわち、STM探針で半導体デバイス試料に曲げ変形等の歪みを与える(歪み印加)と同時に、その探針を電流測定プローブとして試料の電気伝導を測定する(電気伝導測定)。その歪み領域から収束電子回折図形を撮影し、歪みを解析する(歪み解析)。この手法により、試料中の数10nm程度の任意の領域に局所歪みを印加した状態で、電気伝導測定および高精度の歪み解析を行なことが可能になり、これまでバルク試料でしか測定することができなかった「歪みと電気伝導」の同時計測がナノメータースケールで可能となる。この手法をデバイス中の単一チャンネル部に適用し、実デバイスにおける圧縮歪みと電気伝導の相関を世界で初めて明らかにする。この課題実現のため、今年度は以下の課題の実施を行った。 (1)回折結像ソフトウェアの導入 外部制御可能なCCDカメラ装置を制御するソフトウェアを導入し、動作確認および補助スクリプトの開発を完了した。 (2)格子歪みマッピング法の開発 歪みと電気伝導の相関を正確に計測するためには、試料中の格子歪み分布を高精度で計測する必要がある。CBED法をもちいて、湾曲歪みと伸張歪みを同時に計測する手法を開発し、実デバイスに近い構造をもつSiGe/Si界面近傍の歪みマッピングに成功した。この成果は、Journal of Electron Microscopy誌に受理されている。また、CBED図形に現れる反射のロッキングカーブに反復位相回復法を適用し、格子歪みの3次元分布をモデルフリーで決定する新しい手法を開発した。 (3)STMホルダーをもちいた電気伝導実験 STMホルダーをもちいた電気伝導実験のための試料固定台を設計し、通常の電顕試料に対する実験を可能にした。
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Research Products
(5 results)