2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前田 佳均 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (50275286)
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Keywords | 強磁性薄膜 / ホイスラー合金 / 磁気光学特性 / イオンチャンネリング / フォトニック結晶 / 光変調 |
Research Abstract |
低温イオンチャンネリングによるホイスラー合金膜の結晶軸配向性と磁化分布およびマグネトフォトニック結晶薄膜の磁気光学特性について研究を進め,研究計画の最終目的である磁気光学効果による光伝搬変調の基礎実験を行い,以下の成果を得た. (1)Ge(111)基板にエビ成長したL2_1型ホイスラー合金Fe_3Si,Fe_2MnSi,Fe_2CoSi,Co_2FeSi,Co_2MnFeSi膜の40Kでのイオンチャンネリングによって軸配向性の格子歪などによる外因性原子変位を検討し,Fe_3SiとFe_2CoSi膜は<111>軸配向性と(111)面内磁化・磁気光学特性に優れ,マグネトフォトニック結晶に最適であることを見出した. (2)Fe_3Si,Fe_2CoSi/Si三角格子パターンを反応性イオンエッチングと最適化したセルフ・リフトオフ法によって作製した.縦磁気光学カー効果による走査偏光反射測定から面内の磁化分布は均一であることを明らかにした.また,光導波路からの偏光散乱によって光伝搬特性を検討した.0.4mm長の導波効率は約35%程度で設計値よりも10%程度低く,理論解析から磁気格子中の導波光の不完全な偏光状態が損失の原因であることを明らかにした. (3)三角格子パターンに作製したマグネトフォトニック結晶とSiO_2/三角格子β-FeSi_2/Si基板からなるスラブ型フォトニック結晶の導波路をエバネッセント結合させるために対面配置で接触させ,1.5μm波長の連続光伝搬変調の原理実験を行った.10~100mTの交流外部磁場を印加して,マグネトフォトニック結晶での磁化パターンに均一な磁気三角格子を実現できた.さらに,InGaAs半導体レーザからのTEM擬似モードの伝播特性を測定し,外部磁場に対応した磁気光学効果による偏光状態の変化と光伝搬強度の変調を観察し,最終目的である伝搬光の磁場変調を達成した.
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