2008 Fiscal Year Annual Research Report
走査プローブ顕微鏡によるナノスケール局所電気特性計測に関する理論解析
Project/Area Number |
20360016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡邉 聡 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (00292772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 朋史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40376512)
戸塚 英臣 日本大学, 理工学部, 助手 (10339260)
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Keywords | 薄膜・表面界面物性 / 走査プローブ顕微鏡 / 電気特性計算 / 走査トンネル分光 / 局所トンネル障壁高さ / ケルビン力顕微鏡 / 多探針電気特性計測 / キャパシタンス |
Research Abstract |
本研究では、走査プローブ顕微鏡を応用した各種ナノスケール局所電気特性計測における計測量の物理的意味の明確化を目指し、方法論・シミュレータの開発とそれを用いた理論解析を進めた。まず局所トンネル障壁高さ計測については、水素終端Si(100)面について計算・解析を行い、バンド湾曲に関して既報の実験とよく一致する振舞いを得た。さらに、関連の深い走査トンネル分光についても同じ表面の解析を行い、バイアス極性によるスペクトル形状の違いについて既報の実験とよく一致する結果を得ると共に、その物理的意味も明確にした。次にケルビン力顕微鏡については、金属表面について予備的な検討を行ったところ、試料・探針が同じ原子配列の平坦表面の場合に局所接触電位差がゼロにならないという物理的に不自然な結果を得た。この原因の究明は次年度の課題である。多探針電気特性計測については、ゼロバイアス電圧における自己無撞着計算の速度・収束性を高めるプログラム改良を行うと共に、4端子抵抗の解析を行った。ゲート電圧による4端子抵抗値の振動や負抵抗の出現等の既報実験結果と定性的によく一致する結果を得、これが電圧プローブによる反射と電子波干渉の観点から理解できることを示した。さらに、カーボンナノチューブに空孔欠陥がある場合についても解析し、プローブと欠陥との相対位置により4端子抵抗値が大きく変わり得ることを示した。最後に、走査キャパシタンス顕微鏡および走査型非線形誘電率顕微鏡にむけたナノ構造キャパシタンスの評価については、バイアス電圧印加によるエネルギー変化からの評価およびバイアス印加時のポテンシャル変化からの評価という2つを方法を検討し、金属絶縁体一金属接合系について妥当なオーダーのキャパシタンス値を得ることができた。しかしナノスケールの局所変化を解析するには精度が不足すると判明し、この問題の解決は次年度の課題である
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