2010 Fiscal Year Annual Research Report
ドーパントイオン照射によるナノスケール表面改質素過程のリアルタイムSTM観察
Project/Area Number |
20360023
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大泊 巌 早稲田大学, 早稲田大学理工学術院, 名誉教授 (30063720)
|
Keywords | ナノ構造物性 / ナノ表面・界面 / ナノ構造作製 / ナノ計測 / ナノ物性制御 |
Research Abstract |
ドーパントイオン照射によるSi表面のナノスケール改質素過程をリアルタイムに観察するシステムの開発、および、ナノスケールFETの製作・設計、に関する以下の研究を行った。 (1)水素終端Si表面へのPイオン照射過程のリアルタイムSTM観察 Si(001)-2×1:H表面へPイオン照射し、イオン照射前後の連続STM像を解析した。その結果、イオン照射により表面に誘起される主な構造はhemihydrideであることが分かった。この構造は、入射Pイオンによる表面のmonohydrideを橿成する水素原子1個のスパッタにより誘起されると結論した。 (2)ナノワイヤFETにおける酸化膜誘起歪みが電流駆動能力に与える影響調査 歪印加SiナノワイヤFETを製作し、電気特性の酸化膜厚依存性を測定した。酸化膜の薄層化に伴うSi結晶歪の緩和により相互コンダクタンスが低下することを実証し、酸化膜誘起歪みによる電流駆動能力向上を支持する結果を得た。 (3)シミュレーションによるナノワイヤデバイスの設計・提案 従来のCMOSデバイススケーリング限界を克服する一つのアイデアとして、Gate All Around(GAA)構造のSchottky Barrier Tunneling FET (SBTFET)を提案した。GAA構造を有するMOSFETとSBTFETの三次元デバイスシミュレーションを実施し、両者の電気特性を比較した。従来、低いオン電流が欠点だったSBTFETでも、Schottky barrier幅のゲート制御性向上がナノワイヤ径の縮小に伴い向上し、MOSFETに匹敵するオン電流の著しい向上が見られた。 (4)ナノ構造中のフォノン挙動の制御指針の獲得 酸化膜で覆われたナノS沖のフォノン緩和過程をシミュレーションし、LOフォノンの緩和時間が酸化膜厚ではなくSiサイズに依存することを見出した。
|
Research Products
(10 results)