2010 Fiscal Year Annual Research Report
分子ビーム誘起表面反応の立体制御と超高速高分解能光電子分光分析
Project/Area Number |
20360024
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
寺岡 有殿 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (10343922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉越 章隆 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (00283490)
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Keywords | 軟X線放射光 / 放射光光電子分光 / 超音速分子ビーム / 高速原子分子ビーム / アルミニウム / シリコン / 窒化 / 酸化 |
Research Abstract |
本研究では、酸素、窒素などの超音速分子ビームおよび高速原子・分子(イオン)ビームを用いて半導体や金属表面での化学反応を誘起し、極薄酸化膜・窒化膜の形成を高精度に制御することを目的としている。さらに、大型放射光施設(SPring-8)の軟X線放射光を活用して、その反応過程を高速にリアルタイムその場光電子分光観察することを目指している。平成20年度の超音速配向分子ビーム装置の整備、平成21年度の高速中性原子・分子ビーム装置におけるフィラメント型イオン源の検討に引き続いて、平成22年度には超高速光電子分光システムの改良を行った。それによって、超音速分子ビーム、または、高速中性原子・分子ビームを具備した表面ナノプロセス化学装置の性能を向上させた。それらを用いて、産業上重要な材料表面に極薄酸化膜や窒化膜を形成する表面ナノプロセス化学の実証実験を実施した。 1.高速原子・分子(イオン)ビーム装置の開発では、現用のコールドカソード型プラズマイオン源のコールドカソードを新型に更新してイオン電流を増大させた。2.連続噴射型超音速分子ビーム源の開発では、製作したそれを既存のX線光電子分光装置に接続して、同一試料に対して超音速分子ビーム照射と高速原子・分子(イオン)ビーム照射が行えることを実証した。3.超高速光電子分光システムの改良では、測定システムを新型のものに更新し、解析プログラムを改造して高速測定を実施した。4.超音速分子ビームを援用した放射光光電子分光装置の活用では、東北大学通研、東北大学多元研、大阪大学科学教育機器リノベーションセンター、横浜国立大学工学部、大阪府立大学、大阪大学工学部と共同研究を実施して、シリコン、ゲルマニウム、炭化シリコン、銅の酸化反応、タングステンの炭化反応、それらの表面の放射光光電子分光分析など、多数の成果を得た。
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