2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体組織の立体構造・機能計測を目的としたインコヒーレント・ディジタルホログラフィ
Project/Area Number |
20360026
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
谷田貝 豊彦 宇都宮大学, オプティクス教育研究センター, 教授 (90087445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茨田 大輔 宇都宮大学, 工学研究科, 助教 (80400711)
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Keywords | 立体映像 / ホログラフィ / 生体計測 |
Research Abstract |
生きたままの動物個体を用いたin vivoイメージング技術は、発生や再生を始め個体レベルでの現象を解析する上で強力な手段を提供するばかりでなく、生命科学研究で得られた知見を医療や創薬に応用する際にも非常に重要な手段である。優れた機能イメージングを実現するためには、必要な特性を検出できる生検試料作成技術の開発と光学的な撮像技術の開発が不可欠である。 本研究の目的は、偏光検出CCDカメラにより生体細胞の偏光変化および蛍光発光をスティック顕微鏡対物レンズにより複数方向から同時観測し、ほぼ実時間で立体像を合成・表示できる手法を開発することである。ここで研究する方法は、従来の蛍光イメージング法などとは異なり、生きた組織内および組織間の機能分子の活動を立体動画可視化できるもので、情報伝達物質の時間軸に沿った現象(量、分布)の可視化、乳がんの早期診断解析ができるなど、医療、基礎医学、細胞生物学への大きな寄与が期待できる。 ここで試みる方法は、複数枚の投影画像からその物体の3次元的な空間周波数分布を求め、これからホログラムを計算する方法である。この方法では、生体表面の立体蛍光像の取得が可能であるが、生きた動物内部の臓器等の偏光・蛍光映像が取得できないので、多重方向観測顕微鏡を試作した。複数枚の画像の取得方法として、水平移動法を新たに試み原理確認実験を行った。また、より一般的な回折光学系による画像取得の理論も検討した。更に、ドップラー位相シフト法によるディジタルホログラフ法についても検討し、物体表面形状の計測を試みた。 影画像を用いたホログラフィ法により、乳腺の病理標本の三次元可視化に成功した。すでに作成済みの病理標本の偏光解析も行った。さらには、in vivoイメージングの検討と、立体像再生を試みた。
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Research Products
(11 results)