2010 Fiscal Year Annual Research Report
可逆的光重合反応を用いた繰り返し使用可能なホログラム記録材料の研究
Project/Area Number |
20360027
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
志村 努 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90196543)
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Keywords | データストレージ / ホログラム記録材料 / 可逆的光重合反応 / 書き換え可能材料 / 超高密度光メモリー |
Research Abstract |
本研究の目的は、光照射によって起こる有機分子の可逆的重合反応を利用し、新たな機構に基づく再書き込み可能なホログラム記録材料を開発することにある。次世代光メモリーの有力候補であるホログラフィックメモリーに関して、ホログラム記録材料の開発、改良が急務であると認識されているが、フォトポリマーは不可逆的な光重合反応による屈折率変化を利用しているため、書き換えの不可能な使いきり材料である。メモリーとしての実用性を考えると、書き換え可能材料に対する需要は大きい。 そこでわれわれは、連携研究者の一人である吉江がこれまで研究してきた、可逆的重合反応を利用した再利用可能なポリマー材料に着目し、この材料をベースに、ホログラムの書き込みは光反応で、消去と初期化は熱反応で起こるような、再利用可能なホログラム記録材料を実現しようというものである。 本年度は、bis-furnic poly (1,4-butylenesucciante-co-1,3-propylene succinate)とtris-mlaeimideの混合物を試料としてその光学的特性、光照射前の屈折率と分散、光照射による屈折率変化に関して評価した。この材料は熱履歴により2つの結晶状態をとり、それぞれ屈折率が異なる。この熱履歴を光照射により実現し、屈折率の変化を生じさせた。光照射による屈折率変化は0.0002程度でった。 また、熱履歴を用いない純粋に光照射による可逆的屈折率変化も試みた。クマリン分子をポリマーの両末端に付加し、クマリンの光による2量化を用いてポリマー鎖を伸ばすことにより屈折率の変化を試みた。波長250nmの光の照射と350nmの光の照射により、サイクリックな吸収率変化が観測された。これは、クマリンの2量化が可逆的に生じていることを示している。
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Research Products
(1 results)