2010 Fiscal Year Annual Research Report
ホログラフィック光重合によるナノ微粒子ーポリマー複合光機能素子の創成
Project/Area Number |
20360028
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
富田 康生 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (50242342)
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Keywords | 光学素子 / 光学材料 / フォトポリマー / ホログラム / ナノ微粒子 |
Research Abstract |
本研究はフォトポリマー中に均一分散したナノ微粒子の空間的分布をホログラフィック露光により純光学的にアセンブルする手法(以降、ホログラフィックナノ微粒子アセンブリングと略記)の確立とそれを利用した新規光機能素子の創成を目的とする。本年度に実施した研究の成果は以下の通りである。第一に、チオール・エン系モノマーにおいてのトリアジン骨格エンモノマーの使用により、概エンモノマーの自己重合効果により光重合時の重合速度と架橋密度がアリルエーテルエンモノマーの使用の場合に比べて大幅に増加できることを実時間フーリエ変換赤外分光光度計と示差走査熱量計を用いて実験的に明らかにした。第二に、概エンモノマーを用いたチオール・エン系モノマーへのSiO_2ナノ微粒子分散によるナノ微粒子-ポリマー複合材料に記録した体積ホログラムにおいては重合収縮率が0.4%程度までに低減出来ることを実証した。また、その体積ホログラムの熱的安定性についても、有機ナノ微粒子を分散した場合に比べて熱膨張率を大幅に低減出来ることを示した。加えて、概エンモノマーを用いたナノ微粒子-ポリマー複合材料により高忠実度のページデータ記録が可能であることも実証した。第三に、金属(Au,Pt)-ハイパーブランチポリマー複合ナノ微粒子を用いたナノ微粒子-ポリマー複合材料における3次の非線形光学効果を測定して、局所プラズモン効果による非線形光学効果の増大を見出した。第四に、SiO_2ナノ微粒子を用いたナノ微粒子-ポリマー複合材料に記録した体積ホログラムにより冷中性子ビームに対する50%-50%ビームスプリッター動作を実証し、ナノ微粒子-ポリマー複合材料を用いたホログラフィック中性子光学素子の可能性を世界に先駆けて実証した。
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