2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360033
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊東 一良 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80113520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小関 泰之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60437374)
梶山 慎一郎 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (20243496)
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Keywords | 非線形光学顕微鏡 / 誘導パラメトリック発光顕微法 / 誘導ラマン散乱顕微法 |
Research Abstract |
ポストゲノム時代に入り、生命機能の物質的基盤であるタンパク質の機能とその発現メカニズム、タンパク質分子間の相互作用、ネットワークの解析に関する研究が注目を集めている。本研究では、超短パルスレーザーを用いる新しいタイプの四光波混合非線形光学顕微鏡の研究を進め、究極的には生体分子のキラリティを検出し、タンパク質のコンフォメーション変化等を高感度に検出する手法の開発を目指している。これまで、誘導パラメトリック発光顕微鏡のアプリケーション探索と誘導ラマン散乱顕微鏡の改良を進めてきた。本年度は、誘導ラマン散乱顕微鏡において高調波同期法という独自方式を適用することでショット雑音限界に1.6dBまで迫る高感度性を実証した。本方式では、繰り返しが2倍異なるパルスレーザーを同期させて試料に集光することで、誘導ラマン散乱を最高のロックイン周波数で検出し、低周波数のレーザー雑音を回避することができる。また、フェムト秒レーザーからピコ秒レーザーへの置き換えを行い、スペクトル分解能向上を図った。スペクトル分解能は5/cm以下であると予想している。レーザーの改造やレーザー同期用の電子回路の製作に時間を要したが、100fs程度の低ジッタ性をもって同期させることができ、細胞イメージングにも成功している。本研究成果により、誘導ラマン散乱分光をラマン光学活性分光に適用し、生体分子のキラリティ分光を行うための重要なステップを超えることができた。
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