2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360037
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
岡本 隆之 The Institute of Physical and Chemical Research, 河田ナノフォトニクス研究室, 先任研究員 (40185476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 純一 独立行政法人理化学研究所, 河田ナノフォトニクス研究室, 先任研究員 (70177450)
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Keywords | 表面プラズモン / プラズモニック結晶 / 蛍光エネルギー移動 / 厳密結合波理論 / 3層レジスト / リフトオフ |
Research Abstract |
表面プラズモンの伝搬損失は吸収損失と放射損失からなる。吸収損失は金属を薄膜とし、その両側め誘電体の誘電率を等しくした系に存在する長距離伝搬型表面プラズモン(LRSP)を利用することで低減できる。しかしながら、蛍光分子から表面プラズモンへのエネルギー移動を考えた場合、同時に存在する短距離伝搬型表面プラズモン(SRSP)へのエネルギー移動が大きな損失となる。厳密結合波理論を応用した計算により、1次元プラズモニック結晶薄膜(金属薄膜の両界面に周期的な凹凸を設けた構造)の溝の深さを大きくすることで、SRSPの存在が禁止されることを発見した。さらに、このプラズモニック結晶薄膜上に置かれた蛍光分子から、全蛍光エネルギーに古めるLRSPへのエネルギー移動の割合を計算し、その割合が溝の深さが大きくなるにしたがって大きくなることを見いだした。一方、この構造の作製のための3層レジスト用いた銀薄膜のリフトオフ・プロセスを開発した。このような構造を大面積で大量に作製する場合、電子ビーム露光法では作製時間がかかりすぎる。そこで、有効なのが、ホログラフィック露光法である。しかしながら、この方法の問題点は、現像後のフォトレジストの側面の鉛直性が悪いということである。そのため、その上に金属を蒸着すると、レジスの側面にまで金属が堆積され、リフトオフが困難となる。本方法では、基板上にPMMA薄膜をスピンコートし、その上にシリカ薄膜を電子ビーム蒸着し、さらにその上に、フォトレジストをスピンコートする。フォトレジストの露光・現像後、CHF_3ガスでシリカ層を反応性イオンエッチングし、次に酸素ガスでPMMA層をエッチングする。その結果、鉛直性のよい側壁を持つレジスト層が作製できた。このレジストにより、銀薄膜のリフトオフが容易に行えるようになった。
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Research Products
(6 results)