2009 Fiscal Year Annual Research Report
新概念に基づく中性子超高偏極・集光システムの開発と応用
Project/Area Number |
20360042
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
奥 隆之 Japan Atomic Energy Agency, J-PARCセンター, 研究副主幹 (10301748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 武尚 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究員 (90425629)
鈴木 淳市 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究主幹 (40354899)
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Keywords | 中性子散乱 / 偏極中性子 / 中性子小角散乱 / 中性子集光 |
Research Abstract |
本研究では、偏極中性子ビームの高効率利用を目的として、中性子の磁気モーメントと磁場との電磁相互作用のみを利用して、中性子を偏極させると共に集光する新概念(四極および六極磁場の利用)に基づく中性子高偏極・集光システムの開発を行う。そして、本システムを非常に良質な偏極集光中性子ビームを必要とする集光型偏極中性子小角散乱実験へ応用する計画である。応用研究としては、垂直磁気録型大容量磁気記録媒体のミクロな磁気相関長の評価実験および非干渉性散乱断面積の大きな水素を含むソフトマター物質の構造評価実験を行う計画である。H21年度は、H20年度に設計および製作した超高偏極中性子を発生させるための四極磁気回路の中性子偏極性能評価試験を行った。四極磁気回路は、強力永久磁石NdFeBと高飽和磁化材料からなる発展型Halbach四極磁気回路であり、口径15mmφ、磁石長は2220mmである。評価試験では、日本原子力研究機構の研究用原子炉JRR-3実験施設内にある中性子光学素子評価用ビームライン(C3-1-2-1NOP)に、製作した四極磁気回路を設置し、波長8Åの冷中性子を用いて、その中性子偏極性能を評価した。四極磁気回路の直上流にピンホールスリットを設置し、Stern-Gerlach型の実験配置を採った。そして、四極磁気回路の下流に中性子二次元検出器を配置し、四極磁気回路内を透過した中性子の軌道の並進量を測定し、その並進量から、四極磁気回路内の磁場強度勾配を評価した。その結果、ほぼ設計通りの磁場強度勾配が四極磁気回路内で実現されていることが、中性子ビーム実験により確認でき、小角散乱実験で用いる低エネルギー中性子を偏極するのに十分な能力があることが分かった。
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