2010 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーコンプトン準単色X線マルチパルスの生成と動的医用イメージングへの応用
Project/Area Number |
20360043
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山田 家和勝 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 副研究部門長 (70358258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊川 弘之 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 研究グループ長 (80357582)
黒田 隆之助 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 研究員 (70350428)
安本 正人 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 主任研究員 (60358207)
青山 隆彦 名古屋大学, 医学部, 教授 (80023307)
福山 直人 東海大学, 医学部, 准教授 (50349338)
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Keywords | 加速器 / 高出力レーザー / レーザーコンプトン散乱 / 単色X線 / 放射線 / 線量測定・評価 / 医用・生体画像 / 画像診断システム |
Research Abstract |
本研究課題は、X線医用イメージングで一般に用いられるX線管球に対して、単色性、エネルギー可変性、短パルス性、可干渉性等に高い優位性を持つ小型のレーザーコンプトン散乱(Laser Comton Scattering : LCS)X線発生装置の高性能化と、その微小血管造影やコントラストのつき難い軟組織の低被曝・高精細イメージングへの適用可能性を検証することを目的としている。 今年度は、小型加速器の最終段に導入されるコンプトン散乱用再生増幅型チタン・サファイアレーザー共振器の動作条件を最適化するため、複数の共振器構成をテストし、共振器長3.8mのコンポーネント配置で自己発振レベルに達した。100バンチのマルチバンチ電子ビームとの衝突によりマルチパルス・レーザーコンプトン散乱を実現するため、この共振器にシードレーザーパルス列を導入し、増幅・蓄積実験を行った。本研究課題ではレーザー共振器中でのX線マルチパルス発生の確認には至らなかったが、外部共振器を用いたマルチパルスX線の発生には成功しており、原理的にはコンプトン散乱X線のマルチパルス化によるLCS-X線の高収量化が可能となった。生体試料の高精細イメージングに関しては、従来から東海大医学部と協力して進めてきたシングルパルス・レーザーコンプトン散乱X線によるイメージング実験と並行して、今回、名大医学部と連携して人体ファントムを用いた線量測定を行い、LCS-X線によるイメージング手法の低被曝性(皮膚表面線量10μSv/min以下)が確認された。今後本研究で得られた成果を更に発展させることにより、中規模の病院や研究施設に導入可能な低侵襲X線イメージング技術の開発に繋げて行きたい。
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Research Products
(16 results)