2008 Fiscal Year Annual Research Report
周期的領域の周期・非周期波動問題における高速多重極法の研究
Project/Area Number |
20360047
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 直志 Kyoto University, 情報学研究科, 教授 (90127118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 仁 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教 (90359836)
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Keywords | 計算力学 / 高速多重極法 / フォトニック結晶 / メタマテリアル / フォノニック結晶 |
Research Abstract |
(1)電磁波動問題における周期多重極法の研究 (1a)これまで開発してきたコードは、周期構造の単位、すなわちユニットセルが立方体(正方形)でなければならないという制約条件を有していたが、これを取り除くことについては予定通り行うことができた。具体的には、3次元問題において、周期面内の直交2方向の周期長が異なる場合の解法がほぼ完成した。これによって、取り扱いうる周期構造の範囲が拡大した。また、異方周期問題の解析効率は、等方性の場合に比較して予想していたほど劣化せず、場合によっては等方性の場合より能率が良いことが見出された。この成果についてはすでに論文発表を行った。さらに周期方向に直交する方向に長いユニットセルについては、従来は1層の解析手段しか有していなかったので、長手方向に分割し、界面に人工的な自由度を導入することによって対応していた。これについても新たに面外格子和を計算する方法を開発し、実装することができた。これによって解析効率は若干向上したが、前処理に時間がかかるという問題点も見出された。応用として生物の構造色の問題を取り扱った。この成果について、現在論文投稿準備中である。 (1b)幾何学的に周期的な構造に非周期的な境界条件を与えた場合の解法に関しては、2次元問題において、Floquet変換を行ない、元の問題をユニットセルに対する擬周期境界値問題に置き換え、多数のFloquetのパラメータに対してこれを解いた上で逆変換する方法を試みた。ただし、現状ではRayleighのアノマリについては比較的容易に取り扱いうることが分かったが、共鳴アノマリについてはさらに検討を続ける必要があり、21年度も継続してこのテーマの研究を行うこととした。 (2)弾性波動問題における周期多重極法の研究 2、3次元動弾性学におけるNavier-Cauchyの運動方程式(周波数域)を取り上げて、周期多重極法の定式化及び実装に関する研究を行なった。現在、2,3次元ともに低周波多重極法が完成し、2次元問題についてはすでに論文を発表した。3次元問題についてもすでに論文を投稿した。
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Research Products
(10 results)