2011 Fiscal Year Annual Research Report
非相似形等寿命線図に基づく疲労寿命予測法の検証と影響因子に関する基礎研究
Project/Area Number |
20360050
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
河井 昌道 筑波大学, システム情報系, 教授 (90169673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 哲也 筑波大学, システム情報系, 講師 (90345926)
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Keywords | 複合材料 / 疲労 / 等寿命線図 / 非相似形等寿命線図 / 応力比 / 温度依存性 / 切り欠き / 吸水 |
Research Abstract |
1.積層方向の室温疲労荷重がウエット材の等寿命命線図に及ぼす影響の解明 飽和するまで吸水させた一方向CFRP試験片(ウエット材)の繊維垂直方向(トランスバース方向)に異なる応力比による疲労試験を室温で行い、ウエット材の疲労挙動と等寿命線図を同定した。この結果、以下の成果を得た。(1)応力比に拘わらず、ウエット材の疲労強度はドライ材の疲労強度よりも低くなる。(2)応力比が小さくなるとともに、ウェット材の引張疲労強度が明瞭に低下する。一方、圧縮-圧縮疲労強度の応力比依存性は小さいウェット材の特徴はドライ材のそれと類似している。(3)トランスバース疲労に対する等寿命線図を精度よく記述するためには、拡張された4領域形の非相似形等寿命線図を用いる必要がある。 2.積層方向の高温疲労荷重がウェット材の等寿命命線図に及ぼす影響の解明 上記研究1を高温条件で行い、トランスバース疲労に及ぼす吸水と温度の重畳効果を調べた。この結果、以下の成果を得た。(1)ウエット材の疲労強度は高温に曝されることよってさらに低下する。(2)高温における非相似形等寿命線図は室温におけるそれと同様の特徴を呈する。 3.切欠きがウェット材の等寿命線図に及ぼす影響の解明 飽和するまで吸水させた中央円孔試験片を用いて異なる応力比の疲労試験を室温で行い、等寿命線図の特徴を明らかにした。この結果、以下の成果を得た。(1)切欠きによる強度低下は吸水によって低下する。このことは切欠き強度が正味断面支配形となることを意味する。(2)ウエット切欠き材のS-N関係はドライ切欠き材のそれと類似の応力比依存性を示す。(3)ウエット切欠き材の等寿命線図はドライ切欠き材のそれと類似しており、拡張された非相似形等寿命線図法が適用できる。 これらの研究成果はCFRPの湿熱環境下における疲労寿命の理解と解析の高精度化に大きく寄与する。
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